大谷は引き続きMVP級の活躍 第5回WBCで優勝を飾った侍ジャパン戦士たちの今・MLB編
野球日本代表「侍ジャパン」トップチームが「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™(WBC)」で優勝し、日本列島が興奮の渦に巻き込まれてから2か月。海を越えた北米、メジャーリーグでは侍戦士が大活躍を続けている。
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大谷はWBCでの圧巻パフォーマンスを開幕後も継続
野球日本代表「侍ジャパン」トップチームが「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™(WBC)」で優勝し、日本列島が興奮の渦に巻き込まれてから2か月。海を越えた北米、メジャーリーグでは侍戦士が大活躍を続けている。
WBC優勝の栄冠に続き、ワールドシリーズ制覇を目指す4人の今にスポットを当てる。
指名打者、先発投手、さらにはクローザーとして大車輪の活躍を見せ、最優秀選手(MVP)に輝いた大谷翔平投手(ロサンゼルス・エンゼルス)。WBC史上初の二刀流選手として、打っては全7戦出場で打率.435、1本塁打、8打点、投げては2勝1セーブ、防御率1.86で胴上げ投手となった。感情ほとばしる優勝決定の瞬間は、まだ記憶に新しい。メジャー開幕前に行われた全身全霊をかけた真剣勝負に、“燃え尽き症候群”となる恐れも心配されたが、それも杞憂に終わったようだ。
大谷投手は現地3月30日に行われたオークランド・アスレチックスとの開幕戦で先発マウンドに立つと、6回を投げて2安打10奪三振無失点と圧巻のパフォーマンスを披露。WBCで盟友マイク・トラウト外野手を空振り三振に斬ったスイーパーを武器に、ここまで11試合に先発し、5勝1敗、防御率2.91と躍動する。打者としても安定した活躍を続け、打率.269、12本塁打、33打点、7盗塁を記録。主軸として打線を牽引し、チームの勝率5割超えに大きく貢献している。
移籍1年目の吉田は豪快スイングで堂々の活躍
移籍1年目ながら早くもチームの得点源として存在感を示しているのが、吉田正尚外野手(ボストン・レッドソックス)だ。WBCではクリーンナップを任され、全7試合に出場。準決勝のメキシコ戦では起死回生の同点3点本塁打を放つなど、打率.409、2本塁打、そして大会最多を更新する13打点と大暴れした。
メジャー開幕後は一時、打撃不調に喘いだが、4月中旬から回復。現地4月20日のミネソタ・ツインズ戦から16試合連続安打を記録し、トレードマークとも言える豪快なスイングで快音を響かせている。本塁打を放った後にベンチで行われる“ダンベル・セレブレーション”もおなじみとなった。ここまで打率.303、6本塁打、29打点の活躍で、評価が厳しいとされるボストンの地元メディアからも絶賛の声が相次ぐ。
1番打者として打線を盛り上げるヌートバー
WBCには侍ジャパン初の日系選手として参加し、ガッツ溢れるプレーで日本に勝機を呼び込んだラーズ・ヌートバー外野手(セントルイス・カージナルス)は、開幕戦で左手親指を負傷。一時戦列を離れたが、現地4月15日のピッツバーグ・パイレーツ戦で復帰すると、WBCの時と同様に1番打者として活躍する。
ここまで打率.268、4本塁打、21打点、5盗塁。チームは苦しい戦いが続いているが、打線の起爆剤としての期待は高まる。ともに世界一を掴んだ侍戦士と各地で交流する様子が報じられるなど、引き続き日本から高い注目を集めているが、十分期待に応えるプレーを見せ続けている。
我慢の時が続くダルビッシュは中盤以降の奮起に期待
WBCでは良き兄貴的存在として若手選手の多いチームを支えたダルビッシュ有投手(サンディエゴ・パドレス)は開幕以来、我慢の時が続いている。ここまで10試合に先発して3勝4敗、防御率4.61。ダルビッシュ投手自身のコンディションと、味方打線の好不調の波がなかなか一致せず、勝ち星が伸びない中、現地5月28日のニューヨーク・ヤンキース戦では3回途中7失点と乱れた。開幕当初に目立った四死球の多さは解消されてきたものの、ここまで無失点登板はなし。夏に向けてギアを上げ、まずはチームを勝率5割復帰に導きたいところだ。
侍ジャパンの世界一奪還に4人のメジャー選手が果たした役割は大きく、日本でも連日その活躍ぶりが伝えられている。シーズンはまだ中盤に差し掛かったばかりだが、今季を締めくくるワールドシリーズで侍戦士対決が実現することを期待したい。
※成績はすべて5月29日現在
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