待望のWBCが開幕間近 侍ジャパンが戦う1次ラウンド東京プールの展望を探る
迫る「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™(以下WBC)」開幕に向けて、野球日本代表「侍ジャパン」は宮崎に集結。2月17日から始まった合宿でチームとしての連携を高め、強化試合を重ねながら本番を迎える。
写真提供=Full-Count
日本と1次リーグを戦う4チームはどんなチーム?
迫る「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™(以下WBC)」開幕に向けて、野球日本代表「侍ジャパン」は宮崎に集結。2月17日から始まった合宿でチームとしての連携を高め、強化試合を重ねながら本番を迎える。
第5回となる今大会は出場チーム数が前回の16から20に拡大。台中、東京、アリゾナ、マイアミの各地で総当たりによる1次ラウンドが行われ、上位2チームが準々決勝に進む。ここを勝ち抜いた4チームがマイアミで決勝トーナメントを戦い、栄えある世界一が決まるというわけだ。
今回は3月9日から日本が戦う「カーネクスト 2023 WBC™ 1次ラウンド 東京プール」の展望をお届けしよう。
東京プールを戦うのは、日本、韓国、オーストラリア、中国、チェコの5チーム。日本と韓国の2強に対し、他の3チームがどう挑むかという構図になりそうだ。日本は栗山英樹監督の熱意と尽力により、ダルビッシュ有投手(サンディエゴ・パドレス)、大谷翔平投手(ロサンゼルス・エンゼルス)、鈴木誠也外野手(シカゴ・カブス)、吉田正尚外野手(ボストン・レッドソックス)、ラーズ・ヌートバー外野手(セントルイス・カージナルス)という5人のメジャーリーガーが参加。村上宗隆内野手(東京ヤクルト)、山本由伸投手(オリックス)ら日本プロ野球を代表するメンバーと合わせ、“史上最強”の呼び声高いチームが編成された。
最大のライバル・韓国はメジャー選手が2人参加
日本にとって最大のライバルとなるのは韓国だろう。世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が2022年12月31日に発表した世界ランキングでは4位の強豪だ。
2013年、2017年と2大会連続で1次ラウンド敗退という悔しさを味わった韓国は、メジャーで活躍するチェ・ジマン内野手(ピッツバーグ・パイレーツ)こそ参加を見送ったが、遊撃のキム・ハソン内野手(サンディエゴ・パドレス)と二塁のトミー・エドマン内野手(セントルイス・カージナルス)が加入。メジャーでも好守備で知られる2人が二遊間を組むことになりそうだ。打線の核となるのは、昨季の国内リーグで打率と打点の2冠を飾ったイ・ジョンフ内野手。元中日のイ・ジョンボム氏の息子で近い将来のメジャー移籍を希望している。投手陣は元メジャー左腕のキム・グァンヒョンが中心となる見込み。投打ともに日本にとって侮れない存在だ。
11月の強化試合で戦ったオーストラリア(WBSCランク10位)は、メジャー選手がいないチーム編成で大会に臨む。オーストラリアン・ベースボールリーグ(ABL)と米マイナーリーグでプレーする選手がメインとなり、日本や韓国に比べると投打ともに力の差はありそうだ。元中日のデーブ・ニルソン監督に加え、元阪神のクリス・オクスプリング投手が指名投手枠で登録されるなど、日本の野球を知る人物が多い。ABLが11月から1月まで開催されていたため、選手のコンディションは強化試合時よりも上がっていると予想されるだけに油断は禁物だ。
大会通算3勝目を目指す中国、初出場のチェコは苦しい戦い続くか
2006年の第1回大会から出場する中国(WBSCランク30位)だが、ここまで4大会で2勝止まり。メジャーリーグが中国での野球普及・強化に努めたが、新型コロナウイルスの世界的大流行などの影響も受け、国内リーグは中止が続いた。厳しい戦力ではあるが、元福岡ソフトバンクの真砂勇介外野手が代表入りしたほか、ロサンゼルス・エンゼルスとマイナー契約を結んだアラン・チャン・カーター投手も参加。大会通算3勝目を目指すことになりそうだ。
予選を勝ち上がって出場権を獲得したチェコ(WBSCランク15位)は、ヨーロッパでオランダ、イタリアの2強を追う新興国として着実に実力アップしてきた。WBCは2013年から予選に参加し、2大会連続予選敗退だっただけに、今回は3度目の正直となった。米国の大学やマイナーリーグでプレーする選手も参加。米ノースグリーンビル大学でプレーするマレク・クルップ外野手は予選4試合で2本塁打を放つなど打撃に定評がある。予選を勝ち抜いた勢いはあるが、1次ラウンド突破は大きなチャレンジとなるだろう。
1次ラウンドは日本と韓国の勝ち抜けが有力と見られるが、何が起こるか分からないのが短期決戦。1試合27個のアウトを取るまで気を緩めず、4戦全勝と勢いをつけて16日に開催される準々決勝に駒を進めたい。
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