佐々木朗希、WBC好投のカギはフォーク 世界一経験者が見る王座奪冠への展望

2023.2.20

3月に開催される第5回「ワールド・ベースボール・クラシック™(WBC)」で、野球日本代表「侍ジャパン」は栗山英樹監督の下、3大会ぶりの世界一奪冠を目指す。2006年の第1回大会で世界一に貢献した薮田安彦氏が、今大会への期待やポイントを語った。

写真提供=Full-Count

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第1回大会で救援として世界一に貢献した薮田安彦氏

 3月に開催される第5回「ワールド・ベースボール・クラシック™(WBC)」で、野球日本代表「侍ジャパン」は栗山英樹監督の下、3大会ぶりの世界一奪冠を目指す。2006年の第1回大会で世界一に貢献した薮田安彦氏が、今大会への期待やポイントを語った。

 大谷翔平投手(ロサンゼルス・エンゼルス)、ダルビッシュ有投手(サンディエゴ・パドレス)らメジャー組が5人参戦するなど、発表された30人の出場選手は“史上最強”とも目される。日本だけではなく、優勝経験を持つ米国代表やドミニカ共和国代表などもメジャーリーガーの参戦表明が相次いでいる。

「かなり盛り上がっていますね。日本代表もそうですし、世界各国もメジャーの選手が多く出てきているので、そうなればかなり面白い大会になるのではないかと思っています」

 薮田氏が出場したのは第1回だけに「正直、どういう大会か分からない部分もあった」と振り返る。そんな中で世界一を勝ち取った。さらに2009年の第2回大会では「どういう大会か分かって入っていった中で世界一になった。プレッシャーを感じるところもあったと思うので、だんだんWBCという大会の凄さは浸透してきているのではないかと思います」。

薮田氏が考える世界一奪還のカギを握る試合とは…

 大会が成熟しつつあることも実感している。侍ジャパンは最近2大会で苦杯を喫したが、それも世界各国の“本気度”が増してきた証ともいえる。「アメリカも本腰を入れてきているし、各国にとってWBCで世界一になることの大きさは第1回に比べてかなり変わったのではないかと思います」と見ている。

 激戦が予想される今大会で、薮田氏がポイントに挙げるのが第2戦の韓国戦だ。「韓国に負けてしまうと結構厳しくなると感じている。そう考えた時に誰を先発させるのか、またもしも落としてしまった時のオーストラリア戦(の先発)に誰を持ってくるのか。大谷選手、ダルビッシュ選手がどこで登板できるのかによっても、かなり戦い方も変わってくると思います」と投手起用に思いを巡らせた。

注目は日本球界を代表する投打の若きスター選手

 注目選手には、「村上(宗隆)選手(東京ヤクルト)は、勝ち上がってアメリカに渡った時にどういう打撃をするのか楽しみです。佐々木朗希投手(千葉ロッテ)はどこで投げてくるのか、どんなピッチングをするのか」と投打の若きスターを挙げた。昨季日本人最多のシーズン56本塁打を放ち、史上最年少3冠王となった村上選手は、すでに将来的なメジャー挑戦の意向を公言している。若干23歳の若武者が“野球の本場”で一足早く、強烈なインパクトを植え付ける可能性も大いにある。

 薮田氏にとって古巣・千葉ロッテから唯一の選出となった最速164キロ右腕には、大きな期待とともに心配な点もあるという。WBC公式球への適応は薮田氏も苦労しただけに「滑るボールを初めて投げると思うので、体のどこかに負担がかかる可能性もなくはない。自分は初めてWBC公式球が送られてきた時、キャッチボールをやっただけで腕がパンパンになって『これ大丈夫かな』と思ったのを覚えています」と経験を語る。滑らないように意識することでいつも以上に指先に力が入り、前腕、さらには肘と負担がかかっていく例も少なくはないという。

 また、佐々木投手の投球は直球とフォークが軸。「向こう(海外)の打者は、速いボールは慣れています。そうなると、フォークがちゃんと投球できれば(うまくいく)、ということになってきますよね」と展望を口にした。

「ここ2大会、世界一が獲れていないので、何とか奪還してほしいと期待しています。周囲も盛り上がっているので、世界一になればまた野球ファンも増えてくると思いますから、日本の野球の強さを存分に世界に見せてもらいたいなというのがあります」

 頂点への期待もどんどん高まっている今大会。いよいよ開幕が迫ってきた。

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