「僕もプロに行きたい」 横浜DeNA・6年目遊撃手の人生を変えた大学代表での経験

2021.3.15

2014年の初夏6月、翌月にオランダで開催される「第27回 ハーレムベースボールウィーク」に向けて発表された侍ジャパン大学代表の中には、当時、國學院大学3年生だった柴田竜拓内野手(現・横浜DeNA)の名前があった。意識すらしたことがなかった代表入り。「うれしいのもありましたが、大学代表という責任感というか、緊張感があった気がします」。喜び半分、驚き半分で向かった代表チームでの経験が、その先の進路を大きく変えた。

写真提供=Full-Count

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2度の大学代表経験を持つ柴田竜拓選手「勉強することばかりでした」

 人生を変える経験だった。

 2014年の初夏6月、翌月にオランダで開催される「第27回 ハーレムベースボールウィーク」に向けて発表された侍ジャパン大学代表の中には、当時、國學院大学3年生だった柴田竜拓内野手(現・横浜DeNA)の名前があった。意識すらしたことがなかった代表入り。「うれしいのもありましたが、大学代表という責任感というか、緊張感があった気がします」。喜び半分、驚き半分で向かった代表チームでの経験が、その先の進路を大きく変えた。

「プロに行きたいと思い始めた。そのきっかけになりました」

 大学代表として国際大会を戦うまで、プロ入りの道はまったく考えていなかったという。「自分が行けるとは思っていなかったですし、全然遠い世界だな、と思っていたので」と、当時を振り返る。

 この時、代表メンバーに名を連ねた内野手は、1学年上では中村奨吾選手(現・千葉ロッテ)、福田周平選手(現・オリックス)、同学年では茂木栄五郎選手(現・東北楽天)、田中俊太選手(現・横浜DeNA)、山足達也選手(現・オリックス)ら、後にプロとなる面々ばかり。「自信なんて全然なかったですね。みんな上手かったので」とは言うが、日本が戦った8試合のうち7試合に遊撃手としてスタメン出場。肌で感じた仲間のレベルの高さ、国際舞台で戦う刺激は大きなインパクトを残した。

大学代表のチームメートがプロの道へ「すごく刺激を受けた」

 同年秋のドラフト会議。つい3か月ほど前に同じユニホームを着て戦った中村選手、山崎康晃投手(現・横浜DeNA)、山崎福也投手(現・オリックス)の3人が1位指名を受けた。

「奨吾さんだったり、福也さんだったり、康晃さんだったり、一緒にプレーしたメンバーがプロの道を進まれた。特に奨吾さんには代表でお世話になっていたので、すごく刺激を受けて、僕もプロに行きたいと思うようになりました。代表メンバーはみんなすごく意識が高い選手ばかり集まっていましたし、勉強することばかりでした」

 4年生になってからも大学代表に選ばれ、韓国で開催された「第28回 ユニバーシアード競技大会」に出場。チームは前年のハーレムベースボールウィーク決勝で敗れた米国に、準決勝で完封勝利を収めた。チャイニーズ・タイペイとの決勝は悪天候のため中止となり、両チーム優勝。2度の国際大会を経て、柴田選手の野球に対する視野は確実に広がった。

「いろいろな野球があるんだと、すごく感じました。やっぱり、特にアメリカはすごかった。パワーの差はありましたが、でもそれだけじゃない。速い球を投げる、打球を遠くに飛ばすことだけではなく、勝つ方法はいろいろある。それを学ぶことができました」

人生を変えるきっかけとなった大学代表「本当に有難い経験になった」

 短期間ではあるが、あらゆる学びが凝縮された大学代表の経験。もし選ばれていなければ、プロの道を目指していなかったかもしれない。人生を変えるきっかけが与えられ、「本当に有難い経験になったと思います」と感謝の気持ちを口にする。

 大学代表でともに戦ったメンバーは今、プロや社会人でチームの中核として存在感を強めている。「今でもすごく刺激を受けますし、みんな活躍しているので、僕も頑張らなくちゃいけないなと思います」と闘志を見せる。今季の目標は、遊撃レギュラーと打率3割。目標を達成した先には、再び侍ジャパンの文字が見えてくるはずだ。

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