侍ジャパンU-18代表、W杯18連勝中の米国撃破で開幕3連勝「日本の魂を込めてやってくれた」

2019.9.2

「第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」は1日、韓国・機張(きじゃん)で大会3日目が行われた。高校世代での初の世界一を目指す侍ジャパンU-18代表は、5連覇を狙う米国代表に16-7で勝利。強力打線を誇る相手に対して、永田裕治監督は細かい継投策を講じ、的を絞らせなかった。打線も集中打で2度の打者一巡を見せるなど12安打16点と見事に打ち勝った。

写真提供=Getty Images

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5連覇を狙う相手に大勝、先発の林は「試合を作ることができました」

「第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」は1日、韓国・機張(きじゃん)で大会3日目が行われた。高校世代での初の世界一を目指す侍ジャパンU-18代表は、5連覇を狙う米国代表に16-7で勝利。強力打線を誇る相手に対して、永田裕治監督は細かい継投策を講じ、的を絞らせなかった。打線も集中打で2度の打者一巡を見せるなど12安打16点と見事に打ち勝った。

 最後まで侍ジャパンU-18代表は集中力を切らさなかった。一時は10点あったリードが、じわりじわりと迫られて7回には4点差になった。リードしていても、余裕は一切なかった。試合後、永田裕治監督は「選手たちが執念を持って戦ってくれた。日本の魂を込めてやってくれた」とねぎらった。

 先発は林優樹投手(近江)。一級品のカーブやチェンジアップを誇る左腕は、速い真っ直ぐに強い米国打線を相手に緩急をうまく使った。初回の先頭打者にいきなり右越えの二塁打を浴びるなど先取点を奪われたが、その裏にすぐに味方が援護。1番の森敬斗内野手(桐蔭学園)が右翼へ三塁打、4番の石川昂弥内野手(東邦)が右翼へ適時二塁打を放ち、同点に追いついた。林投手の緊張はほぐれ、ピッチングは持ち味を発揮。2回はその大きなカーブを武器に無失点にしのいだ。

 林投手は「緊張しましたが、試合を作ることができました。初球からどんどん振ってくるし、何とかバットに当ててこようとする打者が多かったです」と振り返った。2巡目になるとさらにバットに当てられる確率は高くなった。ここで指揮官は、すぐに投手をスイッチ。3回からは150キロ超の直球を持つ「剛」の西純矢投手(創志学園)を送る。早めの継投策だった。

一時は4点差に迫られるも…「みんなが持ち場でよく頑張ってくれた」

 タイプの違う投手で米国打線を抑えにいった。西投手が3回を無失点に抑えると、その気迫が流れを呼んだ。その裏は坂下翔馬内野手(智弁学園)の死球から打線が繋がり、一挙5得点。西投手は4回のマウンドでは3者連続三振に仕留めた。前の回から4者連続三振の見事な投球。すると、その裏には打線が2度目の打者一巡の猛攻で5点を追加した。

 しかし、4連覇中の相手もこのままでは終わらない。米国打線は5回に2点、6回に3点、7回に1点を返し、4点差に迫ってきた。重苦しい空気の中、7回に横山陽樹外野手(作新学院)が左翼へ大きなソロ本塁打を放ち、試合の主導権を渡さず、8回にも集中打で4点を奪い、試合を決めた。

 雨が降る中、最後は宮城大弥投手が見事に3者連続三振を奪い、宿敵・米国を下した。U-18ワールドカップで18連勝中だった米国の勢いを止め、日本は3連勝。スーパーラウンド進出に王手をかけた。永田監督は「今日はスクランブル態勢でいこうと思っていた。つないで、つないで、という中でみんなが持ち場でよく頑張ってくれた」と継投した5人の投手陣、アメリカを上回る12安打を放った野手陣を労った。

 2015年のW杯ではオープニングラウンドで米国に勝利したが、決勝で再び対戦して1-2で敗れ、準優勝に終わった。今大会も決勝で米国との再戦となる可能性は十分にある。永田監督は「まだ、戦いは終わっていない。足元をみつめてしっかりと調整していきたいと思います」と次戦に向けて気持ちを切り替えていた。大会18連勝中だった米国に土を付けても、手綱は緩めずに戦っていく。

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