侍ジャパンU-12代表、チャイニーズ・タイペイ撃破で3連勝　高橋が2打席連続弾、仁志監督「4番は動かせない」

台湾・台南市で行われている「第5回 WBSC U-12ワールドカップ」は28日、オープニングラウンド第3戦が行われ、初の世界一を目指す侍ジャパンU-12代表はチャイニーズ・タイペイに7-4で勝利。オープニングラウンドは開幕から無傷の3連勝を飾った。

1番・赤澤の3試合連続先頭出塁には「塁に出ればホームまで帰って来られる安心感」

　台湾・台南市で行われている「第5回 WBSC U-12ワールドカップ」は28日、オープニングラウンド第3戦が行われ、初の世界一を目指す侍ジャパンU-12代表はチャイニーズ・タイペイに7-4で勝利。オープニングラウンドは開幕から無傷の3連勝を飾った。

　先手を取った。初回、先頭の赤澤琉偉選手（八尾中央ボーイズ）が四球で出塁。快足を飛ばし、相手エラーと今井蓮選手（大阪八尾ボーイズ）の二ゴロの間に三塁に進むと、1死三塁から林京乃佑選手（東京城南ボーイズ）の中前打で先制した。さらに4番の高橋昇聖選手（北上ゴブリンズ）が右中間に今大会チーム1号となる豪快な2ラン。あっという間に3点をもぎ取った。

　2回は先頭の桑元信祐選手（ガッツ鹿児島）が二塁打。高畑知季選手（兵庫波賀リトルリーグ）がきっちりとバントで送り、1死三塁から片岡大瑠選手（大阪狭山ボーイズ）の投ゴロで1点を追加した。1点を返されて迎えた3回は先頭の林選手が内野安打で出塁。4番の高橋選手が右中間に2打席連続となる2ランを叩き込み、6点目を奪った。3点差に迫られた6回も先頭の川下晃汰選手（諫早ボーイズ）の二塁打、桑元選手の投ゴロで1死三塁となり、高畑選手がきっちりと犠飛を打ち上げて1点を追加した。

　仁志敏久監督は「赤澤が塁に出るとみんな勇気をもらえるようで。こっちも赤澤が塁に出れば、何でもできるというか、走ればセーフだという安心感もある。後のバッターも状況判断が冷静にできる子たちなので、赤澤が塁に出ればとりあえずはなんとかホームまで帰って来られるような安心感はありますね」と3試合連続出塁の1番打者を称賛。2打席連続本塁打の高橋については「この子たちの中で、しっかりタイミングをとって間合いを作って打てる、一番それができる子が高橋昇聖だと思います。なかなか教えてもできないことを持っているところで、僕自身も4番は絶対に動かせないと思いました」と話した。

先発の林は「ゲームも作ってくれた」が…「次は落ち着いて最後まで」と課題も

　先発の林選手は初回を3者凡退の立ち上がり。2回は2死から二塁打を許し、ボークで三塁へ進まれると、中前打を浴びて今大会チーム初失点。さらにボークと四球で一、二塁とし、ここで仁志監督がマウンドへ。「向こうは何もしてないんだよ。自分がそわそわしてしまってるだけだよ。今まで通り堂々と投げれば大丈夫だよ」と声をかけると、続く打者を二ゴロに打ち取りピンチを脱した。

　3回は先頭打者に左前打を許すも、投ゴロ、遊ゴロ併殺打と3人で相手の攻撃を終わらせた林選手。しかし、4回は一転してピンチに。連打で無死一、二塁とし、2番手の川越昂太郎選手（東京城南ボーイズ）に継投した。川越選手は続く打者に一塁線を破る二塁打を打たれ失点。さらに無死二、三塁とピンチは続いたが、川越選手、三塁・片岡選手の好守が光り、1点は返されたものの2アウトまでこぎつける。最後は二ゴロでピンチを切り抜けた。5回、6回は3番手の桑元選手が自慢の速球を武器に1失点に抑え、見事リードを守った。

　仁志監督は「立ち上がりから、ゲームも作ってくれた」と先発の林選手を評価したが、同時に課題も挙げた。「ピンチになると子供っぽいところもあるので、そわそわしてしまってボークなんかもしてしまいましたけどね。場慣れもしていると思うので、次は落ち着いて最後までいいピッチングできるかなと期待はしています」と次回登板の期待を寄せた。

　さらには5、6回を投げた桑元選手も称賛。「ボールは強いんですけど、今日スピードガン見てビックリしました。たぶんこのチームで一番速い投手だと思います、まだ6年生なんですけど。ボールの出どころがけっこう独特なので、バッターを詰まらせるとか、タイミングをとりづらいボールを投げるというのは分かっていたので、ピンチになったら行かせようと思ってました」と期待通りの働きに納得の表情だった。

　キューバ、チャイニーズ・タイペイと強豪との2連戦を連勝で乗り切り、3連勝とした侍ジャパン。29日にはフィジー、30日には南アフリカと対戦する。「昨日（キューバ）、今日（チャイニーズ・タイペイ）と相手が強いチームだったので、なかなか選手を代えるタイミングもなくてまだあまり出ていない子もいるので、明日、明後日でたくさん出してあげられるかなと思います」と指揮官はすでにスーパーラウンドを見据えていた。

記事提供＝Full-Count
写真提供＝Getty Images