世界の強打者相手に「通用する」 京都国際高エース・西村一毅がU-18代表で得た自信
昨夏の全国高等学校野球選手権大会で優勝し、今夏もベスト8入りを果たした京都・京都国際高のエース左腕、西村一毅投手。今年9月には野球日本代表「侍ジャパン」U-18代表にも選出され「ラグザス presents 第32回 WBSC U-18ワールドカップ」で準優勝に貢献した。人生で初めて日の丸を背負った経験に「うれしい気持ちと、重圧もありましたが『やらなければいけない』自覚が芽生えました」と、投手としての成長を口にする。
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U-18ワールドカップでは3試合に登板し計6回1/3を2安打9奪三振1失点、防0.00
昨夏の全国高等学校野球選手権大会で優勝し、今夏もベスト8入りを果たした京都・京都国際高のエース左腕、西村一毅投手。今年9月には野球日本代表「侍ジャパン」U-18代表にも選出され「ラグザス presents 第32回 WBSC U-18ワールドカップ」で準優勝に貢献した。人生で初めて日の丸を背負った経験に「うれしい気持ちと、重圧もありましたが『やらなければいけない』自覚が芽生えました」と、投手としての成長を口にする。
甲子園の激闘を終え、届いた吉報に驚きを隠せなかった。西村投手は「侍ジャパン」入りを伝えられた当初を「正直、選ばれるとは思っていなかった」と振り返る。昨夏の甲子園では背番号「11」を背負い、2年生ながら4試合に登板して3勝0敗、14奪三振、防御率0.00と圧巻の投球を見せたが、最上級生となった今年は苦しんだ。
逃した選抜大会への出場「自分を奮い立たせてくれた」
昨秋の府大会では4回戦で敗退し、選抜高等学校野球大会の出場を逃した。「自分たちが出られない選抜を見ていた時にレベルの高い投手がたくさんいた。上には上がいるなと実感しました。その経験が、自分を奮い立たせてくれた」。背番号「1」を背負ったエースの自覚と責任を胸に、今夏は再び甲子園に帰ってくることができた。
復活した左腕にさらなる成長の機会が訪れる。U-18代表として世界を相手に戦った同世代のライバルたちの存在だ。高校生ながら最速158キロのストレートを武器とする群馬・健大高崎高の石垣元気投手、神奈川・横浜高の奥村頼人投手ら、後にドラフト上位指名される逸材たちの姿を目の当たりにし、「石垣投手は高校生が投げる球じゃない。キャッチボールをした時にボールの伸びが規格外。自分が見てきた中で一番速かったです」と、衝撃を受けたという。

プロ志望届を提出せずに中央大学へ進学「技術も人間性も成長していきたい」
ただ、逸材が揃う投手陣の中でも、西村投手は負けてはいなかった。大会では3試合にリリーフ登板し、計6回1/3を2安打9奪三振、防御率0.00の成績を残した。キレのある直球とチェンジアップを武器にキューバ、プエルトリコ、米国の強打者たちを手玉にとった。
「本当に貴重な機会だったと思います。海外の選手はスイングが強いので、投げミスをすると本塁打、長打を打たれる。甘い球だけは投げてはいけない。国際舞台はストライクゾーンが狭いので、ゾーンの中で勝負しないといけない。その中でもチェンジアップは相手打者が振ってくれました。緩急と奥行は通用する。自信になりました」
“戦国東都”で目指す成長「人間的にも未熟なので…」
甲子園、国際舞台でも活躍した左腕にはNPB球団も注目したが、プロ志望届は提出せず中央大学への進学を決めた。目標は4年後にドラフト1位でプロ入りすること。レベルの高い“戦国東都”で自分がどれだけ通用するか試したかった。
「夏の甲子園が終わって、周りに比べて自分の力の無さを痛感しました。もし、このままプロに行けたとしてもすぐに終わってしまう。人間的にも未熟なので、大学で技術も人間性も成長していきたい。高校に入った時は、とてもじゃないけどプロを目指せる選手ではなかった。高校で得た経験を今後に繋げていきたいです」
先にプロの扉を叩いた同期たちを追いかけ、甲子園、侍ジャパンと高校球界を沸かせた左腕は、新たなステージでさらなる高みを目指していく。
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