侍ジャパンが韓国と対決! 来年3月WBCへ最終選考と新ルール対応のための重要機会

2025.11.10

11月15、16日に東京ドームで「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本vs韓国」が開催される。2026年3月の「2026 WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下WBC)に向けたメンバー発表前最後の強化試合。井端弘和監督率いる野球日本代表「侍ジャパン」トップチームは、約4か月後に迫る本番を見据え、1次ラウンドで同組の韓国と火花を散らす。

写真提供=Getty Images

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11月15、16日に開催される「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本vs韓国」

 11月15、16日に東京ドームで「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本vs韓国」が開催される。2026年3月の「2026 WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下WBC)に向けたメンバー発表前最後の強化試合。井端弘和監督率いる野球日本代表「侍ジャパン」トップチームは、約4か月後に迫る本番を見据え、1次ラウンドで同組の韓国と火花を散らす。

 10月8日に発表されたメンバーは当初28人だったが、その後、コンディション不良などの理由で入れ替えがあり、11月7日現在、27人となっている。このうち、2023年のWBC優勝メンバーは大勢投手(読売)、高橋宏斗投手(中日)、中村悠平捕手(東京ヤクルト)、牧秀悟内野手(横浜DeNA)、岡本和真内野手(読売)の6人で、初選出は西口直人投手(東北楽天)、松本裕樹投手(福岡ソフトバンク)、坂本誠志郎捕手(阪神)、佐々木泰内野手(広島東洋)、石上泰輝内野手(横浜DeNA)、野村勇内野手(福岡ソフトバンク)の6人。金丸夢斗投手(中日)と西川史礁外野手(千葉ロッテ)は大学時代以来となるトップチーム入りとなった。

 その一方、今季は本塁打と打撃の2冠に輝いた佐藤輝明内野手(阪神)、村上宗隆内野手(東京ヤクルト)、近藤健介外野手(福岡ソフトバンク)、才木浩人投手(阪神)ら、おなじみのメンバーは名を連ねず。井端監督はメンバー発表時の会見で、今回の韓国戦について「競争が第一」「特に、二遊間や外野の1ポジションを見極めていきたい」と話すなど、WBCに向けてメンバー最終選考の場と位置づけているようだ。

来年のWBCではピッチコムなど新ルールを導入

 また、2026年のWBCでは日本プロ野球には導入されていないピッチクロック、ピッチコム、拡大ベースなどが採用される。ピッチクロックとは、投手がボールを受け取ってから走者なしの場面では15秒、ありの場面では18秒以内に投球動作に入らなければいけないというもの。サインを伝達する際に用いられる電子機器のピッチコムは、MLBではバッテリーの他に最大3人の野手が使用できる(WBCでの野手使用人数は未定)。拡大ベースは選手同士の交錯を防ぐために、従来のものより縦横3インチ(約7.6センチ)大きくなっており、いずれも初見で問題なく対応できるものではない。

 MLBでは2022年にピッチコム、2023年にピッチクロックと拡大ベースが導入されており、米国やドミニカ共和国など海外チームの選手にとってはなじみが深いが、日本では未知のもの。そのため、6日から宮崎で始まった「侍ジャパン宮崎秋季キャンプ2025」ではバッテリー間のサイン伝達に用いられるピッチコムの使用方法について講習が実施された。今回、捕手が4人もメンバー入りした背景には、1人でも多くの選手に「ピッチクロックやピッチコムを経験しておいてほしい」という指揮官の願いが込められているという。

 韓国や台湾ではすでに導入されており、侍ジャパンにとっては新ルールに慣れることが急務の課題。そもそもNPB公式球とWBC公式球(MLB公式球に準ずる)の違いによる影響もあるため、WBC連覇へのカギを握るのは“違いに対する対応力”とも言えそうだ。


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韓国とはWBC1次ラウンドで同じプールCで対戦

 今回対戦する韓国は、WBCの1次ラウンドで同じプールCで戦うライバルだ。プールCにはその他、オーストラリア、チェコ、チャイニーズ・タイペイがおり、この5チームで総当たり戦をした結果、上位2チームが米フロリダ州マイアミを舞台とする準々決勝ラウンドへ進むことができる。

 リュ・ジヒョン監督率いる韓国代表は、侍ジャパンとの強化試合に先駆け、11月、8,9日にチェコ代表との強化試合も行う予定で、WBCに向けた最終選考の場として大きな意味を持つ期間になりそうだ。来年の3月7日、WBCの舞台で対戦する時には両チームともにメンバーは大幅に入れ替わっている可能性があるが、それでも今回の強化試合で井端監督、リュ監督それぞれが目指す野球のスタイルを垣間見ることはできるだろう。

 2度目のWBC連覇を目指す侍ジャパンにとって、韓国は越えなければならないライバルの1つだ。15、16日に行われる2試合でどのような戦いを見せ、ここで得た収穫と課題をWBCでの対戦にどう生かすのか。約4か月後の“本番”を楽しむ上でも、この侍ジャパンシリーズは見逃せない。

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