U-12代表がW杯で史上2度目の準優勝 米国に2連敗も代表18選手が全力プレーで躍動
7月25日から8月3日の日程で、台湾・台南を舞台に「ラグザス presents 第8回 WBSC U-12野球ワールドカップ2025」が開催された。新任の大久保秀明監督率いる野球日本代表「侍ジャパン」U-12代表は決勝まで駒を進めたものの米国に敗れ、惜しくも初優勝ならず。だが、全国から選ばれた18人の代表選手たちは、史上2度目の準優勝という立派な結果で大会を締めくくった。

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大久保秀昭監督が精鋭18選手を率いて初優勝に挑戦
7月25日から8月3日の日程で、台湾・台南を舞台に「ラグザス presents 第8回 WBSC U-12野球ワールドカップ2025」が開催された。新任の大久保秀明監督率いる野球日本代表「侍ジャパン」U-12代表は決勝まで駒を進めたものの米国に敗れ、惜しくも初優勝ならず。だが、全国から選ばれた18人の代表選手たちは、史上2度目の準優勝という立派な結果で大会を締めくくった。
世界各地から12チームが参加した本大会。グループAに振り分けられた日本はまずオープニングラウンドで、開催国チャイニーズ・タイペイ、メキシコ、キューバ、オーストラリア、ドイツとの総当たり戦を行った。初段のドイツ戦と4戦目のオーストラリア戦は、投手陣がノーヒットノーランの継投を披露。ドイツ戦では3四球を与えたものの、オーストラリア戦では走者を1人も出さない“完全投球”だった。打線もそつのない攻撃で点数を重ね、相手投手陣を圧倒した。
メキシコに敗れるもオープニングラウンドは4勝1敗で2位通過
第2戦のキューバ戦では、先発を任された橋本翔太朗選手(高崎ボーイズ)が躍動。初回と2回こそ得点圏に走者を背負ったがホームを踏ませることはなく、3回以降は安打を許さず。6回3安打で完封勝利を飾った。打っては1番打者を務めた外山泰基選手(福岡ベースボールポニー)が初回に右中間へ三塁打を放ち、続く吉塚真之介選手(狭山西武ボーイズ)が一塁ゴロに倒れる間に先制ホーム。4-0で白星を飾った。
第3戦のチャイニーズ・タイペイ戦では初回に2点を先制するも、直後に連打と四球で大会初失点を記録。4回にも1点を失ったが、日本は3回以降毎回得点を重ねて勝利を飾った。
要所でのミスが響いたのが、オープニングラウンド最後のメキシコ戦だった。日本は前日まで4連勝でスーパーラウンド進出が決定。全勝での突破を目指したものの、1点を先制した直後の2回裏、四死球や失策なども絡んで一気に6点を失った。日本は3回と4回に2点ずつを返し、2点を追う形で最終6回へ。先頭で打席に立った外山選手がソロ弾を放ち、さらには四球と中前打などで同点の走者を置いたが、あと1本が出ずに黒星を喫した。
グループAでは4勝1敗で並んだメキシコ、日本、チャイニーズ・タイペイの3チームがスーパーラウンドに進出。グループBから勝ち上がった韓国、米国、ドミニカ共和国と試合を行い、オープニングラウンドでの勝敗と合わせ、上位2チームが決勝戦に進むこととなった。
スーパーラウンドでは初戦から韓国に快勝
日本はスーパーラウンド初戦で、唯一5戦全勝で勝ち上がってきた韓国と対戦。この試合でも先発マウンドに上がった橋本選手が相手打線を1安打に封じる快投を見せた。打線は2回、相手投手の4連続四球で1点を先制したものの、3回と4回は追加点を奪えず。5回に安打と四球で無死満塁の絶好機を迎えると、ゴロ、犠飛、二塁打で3点を挙げ、4-0で勝利した。
続くドミニカ共和国戦では初回に1点を先制したものの逆転を許し、一時は4点を追う展開に。だが、日本は3回の攻撃で佐橋陸公選手(湘南ボーイズ)の3ランなどで6点を挙げて再逆転に成功。5回にも3点を挙げて10-6で打ち勝った。
スーパーラウンド最終戦の米国戦では、降雨で試合開始が4時間も遅れるハプニングが発生。落ち着かない状況で迎えた初回に主導権を握られてしまう。無死一塁からの先制2ランなどで打者一巡5点を許すと、4回にも畳みかけられ3失点。打線は3回に先頭の幸大貴選手(奈良リトルシニア)がチーム初安打となる中前打を放ったが、3安打に抑えられて完封負け。決勝進出に暗雲が垂れ込めたが、韓国がチャイニーズ・タイペイに敗れたことで、両チームに勝利している日本の2位が確定し、2019年以来2度目の決勝進出が決まった。
2試合連続で米国と対戦、決勝では雪辱を誓うも…
迎えた決勝は、2日連続での米国戦となった。前日は完封負けの悔しさを味わった日本だが、初回に安打と四球で走者を置くと、相手投手の暴投で1点を先制。流れを引き寄せたかに見えたが、直後に3点を返されると、4回と5回にも追加点を許し、1-7で残念ながら初優勝ならず。米国が3大会連続6回目の優勝を飾った。
大会ベストナインには、日本から橋本選手(投手)、佐橋選手(一塁手)が選ばれ、橋本選手は2試合で12イニングを投げて防御率0.00での最優秀防御率、2勝0敗で最高勝率にも輝いた。
日本は敗れたものの、6年ぶり2度目の準優勝という結果を残した。海外で日本とは違う慣れない環境で9試合を戦い、海外選手との対戦を味わった経験は、参加した選手たちにとって何よりも大きな宝物となったはず。大会前に大久保監督は「正々堂々フェアプレーで戦いながら、人として成長してほしいですし、将来へ向けて“なりたい自分”の姿を見つけてほしい」と語っていたが、人として大きな成長を掴んだ夏となったと言えそうだ。
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