侍ジャパンがスーパーラウンドへ1位進出 キューバと激闘 井端監督「苦しい試合だった」
野球日本代表「侍ジャパン」は17日、台湾・台北市での「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」オープニングラウンド・グループBのキューバ戦に7-6で競り勝った。これでグループB1位でのスーパーラウンド進出が決定。4点リードしながら、“赤い稲妻”の異名をとる強豪キューバに追いつかれる一幕があったが、雨中での4時間7分の激闘を制した。
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4点リードを追いつかれるも、雨中の4時間7分に1点差で勝利
野球日本代表「侍ジャパン」は17日、台湾・台北市での「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」オープニングラウンド・グループBのキューバ戦に7-6で競り勝った。これでグループB1位でのスーパーラウンド進出が決定。4点リードしながら、“赤い稲妻”の異名をとる強豪キューバに追いつかれる一幕があったが、雨中での4時間7分の激闘を制した。
辛くも、侍ジャパンの国際大会の連勝は「23」に伸びた。井端弘和監督は試合後、「こちらが先制していい流れでしたが、終盤にキューバが力を発揮して追い上げてきた。苦しい試合だったのは確か。それでも、越されなかったのが良かったと思います」と胸をなでおろした。
先発の早川が5回まで1失点と好投も、6回に暗雲
5回終了時点で5-1とリード。ところが6回、先発の早川隆久投手(東北楽天)が、かつて北海道日本ハムに在籍したことのあるヤディル・ドレイク外野手に左越えの適時二塁打を許した。さらに1死一、二塁のピンチを残して2番手の横山陸人投手(千葉ロッテ)にバトンを渡したあたりから、暗雲が垂れ込めた。
横山投手はタイムリー2本を浴びて1点差。リードを2点に広げて迎えた7回には、1死一、二塁で投ゴロを捕球した4番手の清水達也投手(中日)が一塁へ悪送球し、一気に同点とされてしまった。
8回に栗原が値千金の勝ち越し犠飛、9回マウンドには藤平を抜擢
しかし、崖っぷちに立たされてからが侍ジャパンの真骨頂だ。6-6で迎えた8回の攻撃では、福岡ソフトバンクに所属するキューバの6番手、リバン・モイネロ投手から1死一、三塁のチャンスを作り、普段はチームメートの栗原陵矢内野手が勝ち越しの左犠飛を打ち上げた。
そして、1点リードの9回にマウンドへ上がったのは、藤平尚真投手(東北楽天)だった。起用の裏には、守護神の大勢投手(読売)が前日まで2日連投していた事情があった。大勢投手は今季、読売でも3日連続で登板したことはない。一方、藤平投手は今季からセットアッパーに転向し、47試合20ホールド1セーブ。試合の最後を締めた経験はほとんどなかったが、抜擢に気迫で応えた。
託された9回のマウンドで、藤平投手は2安打1死球を許し、1死満塁の大ピンチ。ここでメジャー9年目の今季を終え、通算747試合出場、93本塁打を誇るヨアン・モンカダ内野手を左打席に迎えた。キューバきっての強打者に対し、全5球ストレートで真っ向勝負。最後はカウント2-2からインハイの153キロにモンカダ選手のバットが出ず、見送り三振に仕留めた。
息を呑む試合展開も指揮官「今日のところは託していました」
続く最後の打者もストレート5球で追い込み、フォークを振らせて三振に斬りゲームセット。藤平投手は“相棒”の佐藤都志也捕手(千葉ロッテ)と抱き合って喜び、試合開始から雨を降り注いだ天を仰いで、会心の笑みを浮かべた。最後まで息を呑む試合展開となったが、井端監督は「今日のところは(藤平投手に)託していました。ピンチを招きましたが、強気のピッチングを見せてくれました。自信を持って9回に出したので、信じて見ていました」と称えた。
侍ジャパンはこれで開幕4連勝とし、18日のドミニカ共和国戦を残して、21日から東京ドームで始まるスーパーラウンドへグループB1位で進出を決めた。窮地を乗り越えた侍ジャパンは、大会連覇へ向けてまたワンランク強さを増したようだ。
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