11月8日に開幕した「WBSCプレミア12」は21日に全日程が終了。侍ジャパンは初代王者の座を逃したが、メキシコとの3位決定戦に勝利し3位で終えた。
1次ラウンドグループBでは優勝した韓国に5−0で勝利するなど、5戦全勝。1位で決勝トーナメント進出を決めた。決勝トーナメントに進んでも勢いは止まらず、 グループA・4位のプエルトリコと対戦した準々決勝では、打線が13安打9得点を奪い大勝。
圧倒的な強さを見せた侍ジャパンは、準決勝で1次ラウンドで勝利した韓国と対戦した。試合は8回まで侍ジャパンが、3点をリードする展開で9回を迎えた。しかし、9回にリリーフ陣が崩れ、リードを守り切ることができず、まさかの逆転負け。 初代王者の夢は潰えた。それでも、侍ジャパンはメキシコとの3位決定戦に勝利し、世界3位とWBSCランキング1位の意地を見せた。
今大会3位という結果に終わったが、野手では一塁の「オールワールドチーム」(ベストナイン)に選出された中田翔(北海道日本ハム)の活躍が光った。2013年に小久保監督が就任して以来、国際大会で全試合4番を務めてきたが、 今大会ではパ・リーグ本塁打と打点の二冠王に輝いた中村剛也(埼玉西武)が4番に座り、中田は6番で出場することが多かった。
4番の重圧から解き放たれた中田は今大会、水を得た魚のように躍動。1次ラウンドの第2戦のメキシコ戦でサヨナラ適時打を放つなど、3試合連続で殊勲打を記録。3位決定戦では、豪快な2ランを放つなど打率.429、3本塁打15打点と大暴れ。 中田は今大会の打席成績について「神がかっていたというか、自分でも驚いています」と振り返った。
また、投手では大谷翔平(北海道日本ハム)が、2試合に登板して防御率0.00と抜群の安定感を誇った。特に敗れた準決勝の韓国戦では、150キロを超えるストレートを軸に6回までノーヒットピッチング。7回に先頭打者に安打を許したが、韓国打線に二塁すら踏ませず、 7回を1安打11奪三振、無失点と大一番で最高の投球を披露。先発投手部門の「オールワールドチーム」に選出された。
悔しい結果に終わったが、中田、大谷を始め若い世代の活躍が光った大会となった。
記事提供=ベースボールキング
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