28選手のうち20選手が初選出 井端ジャパンが対オランダ2試合で掲げる強化点とは

2025.3.3

野球日本代表「侍ジャパン」トップチームがいよいよ、2025年最初の大会を迎える。井端弘和監督率いるトップチームは3月5、6日、京セラドーム大阪を舞台に「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本vsオランダ」で2試合に臨む。ちょうど1年後に「2026 WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下WBC)を控えた井端ジャパン。初選出20人という新たな顔ぶれで挑む今大会の狙い、見どころについて探る。

写真提供=Full-Count

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5、6日に「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本vsオランダ」を実施

 野球日本代表「侍ジャパン」トップチームがいよいよ、2025年最初の大会を迎える。井端弘和監督率いるトップチームは3月5、6日、京セラドーム大阪を舞台に「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本vsオランダ」で2試合に臨む。ちょうど1年後に「2026 WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下WBC)を控えた井端ジャパン。初選出20人という新たな顔ぶれで挑む今大会の狙い、見どころについて探る。

 2月14日に行われた出場選手発表記者会見。井端監督が読み上げた28選手の中には、トップチームに初めて選ばれる20選手の名前があった。昨年11月の「ラグザス presents 第3回WBCSプレミア12」(以下プレミア12)準優勝メンバーからの選出はなし。その理由について指揮官は「力量は分かっていますし、秋の強化試合でいいものを見せてくれれば」と説明している。

 新鮮な顔ぶれとなった今回のメンバーについては、「レギュラーシーズンでは何度も見ていますが、ジャパンのユニホームを着るのは20人ほど初めて。いいものを見せてもらいたい」と大きな期待を寄せる。来年3月のWBCに向けて、秋には代表メンバーを固めて最終調整に入ることを考えれば、今大会は試合環境で新戦力を試すことができる最後のチャンスとなる。

 最年少はプロ6年目の横浜DeNA・森敬斗内野手で23歳。東京ヤクルトの長岡秀樹内野手、広島東洋の常廣羽也斗投手と福岡ソフトバンクの廣瀬隆太内野手も同学年で今年24歳となる。最年長は30歳の大山悠輔内野手(阪神)と吉川尚輝内野手(読売)の2人で、残る26人が20代という若さ溢れるメンバーが集まった。その中でも、すでに経験と実績を積んでいる宮城大弥投手(オリックス)と種市篤暉投手(千葉ロッテ)が、それぞれ第1戦、第2戦の先発マウンドに上がる予定だ。


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準優勝のプレミア12で見つかった2つの強化ポイント

 井端監督は今大会での強化ポイントを2つ挙げている。それが「中継ぎ左腕」と「長打力」だ。

 昨年のプレミア12では全勝で決勝まで進みながら、最後はチャイニーズ・タイペイに0-4で完封負けを喫した。5回に左打者による先制ソロと3ランで一気に4点を奪われ、勝負が決まった。そこで左打者封じのスペシャリストとして、中継ぎ左腕の橋本侑樹投手(中日)、河野竜生投手(北海道日本ハム)、塹江敦哉投手(広島東洋)を選出。さらには普段は先発を務める曽谷龍平投手(オリックス)も中継ぎとして起用する方針で、それぞれ「相手打者がどういう反応をするのか見てみたい」と力量をはかる。

 各国代表が覇を競うWBCのような国際大会では、対戦する投手のレベルが高く「連打連打は望めないのかなと思う」と井端監督。1本のホームランで試合の流れが変わることがあるだけに「当然、長打力というところは必要」と言葉に力を込めた。長打を期待する選手として、大山選手、佐藤輝明内野手(阪神)、細川成也外野手(中日)、廣瀬選手、水谷瞬外野手(北海道日本ハム)を指名。中でも細川選手と佐藤選手に関しては「(シーズン本塁打が)40本、50本という可能性は残っているので、今季大きく飛躍してほしい」と期待は大きい。

二遊間争い、新コーチの加入… 井端監督「本番を想定して」

 その他にも見どころは多い。例えば、初選出の5人が加わる二遊間争いだ。遊撃手としてゴールデングラブ賞を受賞した矢野雅哉内野手(広島東洋・2024年)と長岡選手(2022年)に加え、昨季チームの日本一に貢献した森選手、廣瀬選手、太田椋内野手(オリックス)が名を連ねる。さらに、昨年のプレミア12を負傷辞退したため、今回6年ぶりの出場が見込まれる吉川選手も加わり、激戦区の様相を呈している。

 また、コーチ陣にも新メンバーが加わった。阪神とオリックスで通算104勝を挙げ、2022年限りで現役を退いた能見篤史投手コーチと、“熱男”でおなじみ元福岡ソフトバンクと読売の松田宣浩野手総合コーチだ。2人はともに2013年のWBCを戦った仲間。大舞台で感じる特別な緊張感や短期決戦の難しさを知る人物だけに、チームにとって大きなプラスとなるはずだ。

「WBCまで1年弱。本番を想定して、ある程度イメージしてやっていけたら。少しでも底上げをして、1年後、いいメンバーが選べればいいなと思います」

 2026年のWBCに向けて、重要な試金石となるであろう今大会。28選手は持てる力を余すことなく発揮して代表入りを強くアピールし、メンバー選考の際には井端監督の頭を悩ませたいところだ。

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