佐々木朗希が最速159キロで4回0封“デビュー” 敵将称賛「世界で最もいい投手の1人」

2022.11.11

野球日本代表「侍ジャパン」は10日、札幌ドームで「侍ジャパンシリーズ2022」日本vsオーストラリア第2戦に臨み、9-0で完封勝利を飾った。強化試合の最終戦で侍ジャパンデビューを飾ったのが、佐々木朗希投手(千葉ロッテ)だ。最速159キロの剛速球を武器に4回4安打無失点。奪った三振は2つにとどまったものの、来年3月に行われるワールド・ベースボール・クラシック™(WBC)での代表入りへアピールした。

写真提供=Full-Count

写真提供=Full-Count

毎回走者を背負う「探りながら」の投球も要所を締める投球で圧倒

 野球日本代表「侍ジャパン」は10日、札幌ドームで「侍ジャパンシリーズ2022」日本vsオーストラリア第2戦に臨み、9-0で完封勝利を飾った。強化試合の最終戦で侍ジャパンデビューを飾ったのが、佐々木朗希投手(千葉ロッテ)だ。最速159キロの剛速球を武器に4回4安打無失点。奪った三振は2つにとどまったものの、来年3月に行われるワールド・ベースボール・クラシック™(WBC)での代表入りへアピールした。

「札幌ドームのマウンドは初めてで、ボールもいつもと違ったので探りながらでしたが、徐々に修正しながら投げました。課題も出たので、そこは今後対応したいと思います。このチームで投げられたことは、いい経験になりました」

吉井投手コーチも評価「回を重ねるごとに良くなっている印象」

 毎回走者を背負う苦しい投球となった。初回、制球が定まらずに無死一、二塁のピンチを招いたが、3番のロビー・グレンディニング内野手を155キロ速球で見逃し三振。続くローガン・ウェード内野手も4球目の速球で遊ゴロ併殺打に仕留めた。3回はティム・ケネリー外野手の二塁内野安打と味方の失策で1死二塁のピンチを背負ったが、ここでも落ち着いて後続を打ち取った。4回2死一、三塁ではジャリド・デール内野手を遊撃ライナーとし、4イニングで「0」を並べた。

 来季から千葉ロッテ監督として指揮を執る吉井理人投手コーチは「本人の調子は今ひとつで、直球も変化球もおそらく5割くらいの仕上がりだったと思います。ボールの感覚がまだしっくりきておらず探しながら投げていましたが、回を重ねるごとに良くなっている印象です」と評価した。本調子ではない中でも試合中に修正。得点を許さなかったのは、さすがだった。

元中日のニルソン監督は驚嘆「世界で最もいい投手の1人」

 オーストラリアとは来年3月のWBC1次ラウンドで対戦する。その前哨戦とも言える一戦で、佐々木投手が与えたインパクトは抜群だった。2000年に「ディンゴ」の登録名で中日に所属したデービッド・ニルソン監督は「やはり現時点で世界で最もいい投手の1人。球が速いだけでなく、スプリット(フォーク)も使って抑えてきた。何度か繋げそうな場面があったが、うまく抑えられた」と目を丸くした。

 かつて北海道日本ハムでプレーしたマイケル中村投手コーチは「佐々木投手のことは知っていたが、実際に自分の目で見て、フォークボール、直球、球速、どれも印象に残った」と衝撃を受けた様子。佐々木投手からマルチ安打をマークしたティム・ケネリー外野手も「やはり素晴らしい投手だと思います。なんとなく打つことができましたが、最終的には圧倒されました。球が速いだけでなく、変化球も素晴らしかった」と賛辞の言葉を並べた。

イニング間はブルペンで調整、栗山監督「工夫しながら投げるところが見られた」

 国際大会ではイニング間にベンチ前でキャッチボールすることは禁じられている。この日のイニング間はベンチ裏にあるブルペンでキャッチボールして調整。栗山英樹監督は「抜け球をコントロールできてないところがあったと思うんですけど、球数を重ねながら工夫して投げるところが見られた。個人的に朗希の感じはすごく良かったです」と目を細めた。

 手探りながら無失点で終えた“デビュー戦”では、手応えも課題も感じた様子。佐々木投手は「最後の方はいいボールが多かったので、次に繋げていければと思います。(侍ジャパンは)責任だったり、プレッシャーがありますが、その中で結果を残さないといけない。いい準備をした上で、優勝に貢献できるように頑張りたいと思います」とWBCへ意欲を見せる。

 来年3月の本番にはどんな投球を見せてくれるのか、待ち遠しくなるマウンドとなった。

記事提供=Full-Count
写真提供=Full-Count

NEWS新着記事