WBC2大会連続出場の松田宣浩が抱く決意「世界一になって世界一のリーグに」(前編)

2017.2.6

3月6日に開幕する第4回ワールド・ベースボール・クラシック™(WBC)まで、残すところ1か月を切った。2大会ぶりの優勝を狙う野球日本代表「侍ジャパン」は、今月22日から宮崎で直前合宿を行い、3月7日に行われる初戦キューバ戦に向けての最終調整に臨む。今大会はチームリーダーとして「チームの勝利に全精力を注ぎたい」という松田選手に、第4回WBCにかける熱い思いを語ってもらった。

写真提供=Full-Count

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リーダーとして「チームの勝利に全精力を注ぎたい」

 3月6日に開幕する第4回ワールド・ベースボール・クラシック™(WBC)まで、残すところ1か月を切った。2大会ぶりの優勝を狙う野球日本代表「侍ジャパン」は、今月22日から宮崎で直前合宿を行い、3月7日に行われる初戦キューバ戦に向けての最終調整に臨む。

 小久保ジャパンは1月28日に最終メンバー28選手が出揃ったが、思わぬアクシデントが発生。投手陣の柱と考えられていた大谷翔平投手(北海道日本ハム)が、昨年痛めた右足首の状態が思わしくなく、欠場が決まった。第3回大会に続き2大会連続出場となった松田宣浩内野手(福岡ソフトバンク)も「フル稼働してや(笑)」と大きな期待を寄せていたが叶わず。それでも「日本球界を引っ張っている中心選手が揃った」と世界一に向けて大きな意欲を燃やす。

 今大会はチームリーダーとして「チームの勝利に全精力を注ぎたい」という松田選手に、第4回WBCにかける熱い思いを語ってもらった。

――第3回大会に続き、2大会連続でのWBC出場が決まりました。

「国を代表する試合なので、より引き締まる思いになっています。前回はまだ若かったんで闇雲というか、ただ日本代表のユニフォームを着たい、日本代表に選ばれたい、と思っていた。でも、今回に関しては、年齢も上の方なので、チームが勝つか勝たないか。チームの勝利に全精力を注ぎたいと思います」

――松田選手個人の成績や活躍ではなく、チームが勝つために何ができるかを考える、ということですね。

「そうですね。前回は、稲葉(篤紀)さんだったり、井端(弘和)さんだったり、松井稼頭央さんだったり、キャプテンの阿部(慎之助)さんを中心にチームリーダーとしてやって下さった。今回はそういうことも僕らがやらないといけないと思っています。当然自分の成績も出さなければ試合には出られませんが、それ以上にチームをまとめる役割をしていきたいと思います」

初出場選手へのアドバイス「普段通りのプレーをすればいいんです」

――今回の「小久保ジャパン」は定期的に招集されたため、中心となる選手が決まっています。

「それが結構やりやすいんですよね。小久保さんがイメージする日本人のトップチーム。投手も野手も骨組みは決まっていて、そこに選ばれているのは認めてもらっているということ。とてもうれしいですね。シーズン前とシーズンオフに定期的に試合が組まれ、小久保ジャパンとして動いてきたので入りやすいです」

――継続してきたからこそ生まれたチームとしてのまとまりもある。

「前回は直前の宮崎で代表選考があったり、寄せ集めのチームという感覚は否めなかった。連係プレーとか、正直即席で難しい部分もあったんですけど、今回はずっとやっているメンバー。だからこそ言い訳ができませんよね。(世界野球WBSC)プレミア12でも優勝できなかったし、昨年の練習試合でも負けたりした。だからこそ、WBCは小久保ジャパンの結果が一番求められる時だと思います。

 小久保監督がいつもおっしゃるのは、日本のトップチームである侍ジャパンに誇りを持て、ということ。そういった意味でも、当然、勝つ、優勝するというのは一番の目標だと思います。どんな形でもつかみにいく。内容がよくても、試合に負けたらそれまでの評価。やっぱり勝たないと意味がないですよね」

――前回大会では準決勝でプエルトリコに敗れる経験を味わっただけに、優勝への思いは余計に強いのでは。

「準決勝で負けた試合に出場していましたし、1回目、2回目の先輩が勝たれている中、3回目は準決勝敗退だったので悔しい思いをした。その借りを返してやるって思いはあります。前回メンバーだった内川(聖一)さん、中田翔、(坂本)勇人とか、2回連続で選ばれている選手は、この大会に掛ける思いは尚更強いと思う。その選手たちに、筒香(嘉智)くんらといった新しい力が加わって、グイグイいけたらいい方向に進めると思います」

――国際大会は特別な雰囲気があると言われます。出場が2度目の選手から、初出場の選手にどんなアドバイスを送りますか?

「自分の持っているものを認めてもらって日本代表に選んでもらった。それを分かってほしいですね。逆に言えば、日本代表に選ばれたから何か特別なことをしなければいけないんじゃない。自分の持っているものを日本代表が欲しいと思って選んでくれたんだから、普段通りのプレーをすればいいんです。

 新しいことや特別なことをしようと思うのはよくない。いろいろな色を持つ選手を集めて作ったチームが、この28人。シーズン通りに自分の持っているパフォーマンスを出すことが大事だと思います」

長期間をかけて準備した小久保ジャパン「集大成が2017年WBCだと思っている」

――国際大会でもあり短期決戦でもある場で、いつも通りのプレーをするのは、想像以上に簡単ではないでしょうね。

「そこを出す! 出せるか出せないか、じゃなくて、出すか出さないか。打つか打たないか。勝つか勝たないか、だと思います」

――松田選手は、前回大会では7試合に出場し、打率.333、1本塁打、5打点の活躍でした。

「平常心でいけたと思います。あとは、どこで打つかだと思うんですよ。ランナーがいないところで打つことも大事ですけど、短期決戦なんで得点チャンスを無駄にはしたくない。得点圏でいかに打てるか、そのつながりが大事。勝負強さ、ですかね。

 投手でも、点をやらない勝負強さが大事。走者なしの場面だったら本塁打以外は失点しないけど、走者が二、三塁の場面だったらポテンヒットでも失点につながる。そういう勝負強さは大事ですよね」

――平常心と言えば、前回大会でも松田選手の元気の良さは光っていました。今回も元気ハツラツなプレーは変わらずに見せてもらえますか?

「これは年を取る取らないは関係なしに、野球をやっている以上は続けようと思っているんで変わらないと思います。これでずっとやってきたんで、崩すことはないですよ。これも自分の持っているものの1つ。代表に入ったら、いきなり声を出さなくなったり、いつもの自分と違うことをやろうとしても、それは小久保さんが認めてくれた自分じゃないと思うんです」

――選手が平常心を保つという点でも、小久保ジャパンが長い時間を掛けて準備してきた意味がありそうです。

「そうですね。常に選んでもらった小久保ジャパンの集大成が2017年WBCだと思っている。いい思いも悔しい思いもした。それをすべて今大会で発揮できるようにしたいと思います」

(後編に続く)

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