課題の中継ぎに先発左腕…侍ジャパンへの招集が期待される投手の新戦力は?

2016.4.18

3月に行われた「日本通運 presents 侍ジャパン強化試合 チャイニーズ・タイペイvs日本」では、既存の戦力が存在感を見せる一方で、新戦力も台頭した。チーム力強化へ、新戦力による“突き上げ”は必要不可欠だ。現在のNPBで、小久保裕紀監督率いる侍ジャパンへの招集が期待される投手とは――。

写真提供=Getty Images

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3月の強化試合では秋吉と戸根が初招集、必要なのは「リリーバーの専門職」

 3月に行われた「日本通運 presents 侍ジャパン強化試合 チャイニーズ・タイペイvs日本」では、2連勝と強さを見せつけた野球日本代表「侍ジャパン」。投手陣では菅野智之投手(読売)や武田翔太投手(福岡ソフトバンク)ら、既存の戦力が存在感を見せた。

 一方で、侍ジャパン初招集となった中継ぎの秋吉亮投手(東京ヤクルト)、戸根千明投手(読売)ら新戦力も台頭。チーム力強化へ、新戦力による“突き上げ”は必要不可欠だ。現在のNPBで、小久保裕紀監督率いる侍ジャパンへの招集が期待される投手とは――。野球解説者の野口寿浩氏に有力候補を挙げてもらった。

 昨年11月の「世界野球WBSCプレミア12」では、各球団の先発投手と抑え投手を中心にメンバー編成を行った侍ジャパン。権藤博投手コーチが加わった3月の強化試合は、中継ぎを専門とし、変則的なフォームが特徴の秋吉、戸根をブルペンに加えた。野口氏は、準決勝で韓国に逆転負けした「世界野球WBSCプレミア12」の反省を生かして「リリーバーの専門職というか、クローザーばかりではなくて、イニングの途中から登板するような、そういう場面に慣れている選手を使えればいいと思います」と語る。

「そうなってくると秋吉あたりは適任ですよね。サイドスローで球が強い。あとは、やはり外国人打者が嫌がるのは戸根のようなタイプでしょうね」。チャイニーズ・タイペイ戦での2人の招集は理にかなったものだと指摘しつつ、新戦力候補としてまずは実績のある3投手の名前を挙げた。

ベテランから若手まで…侍ジャパンのブルペンに必要な投手は?

「オリックスの平野佳寿が1年活躍してくれれば、面白いのではないかなと。あとはソフトバンクの五十嵐亮太。ナックルカーブが外国人打者に対してどうかというところで、悪くないと思います。左のセットアッパーとして、阪神の髙橋聡文も面白いんですね。今、投球フォームが最も変則的なのは髙橋か戸根でしょう。本当は、怪我していなければ日本ハムの宮西尚生もいいと思うのですが……」

 また、チャイニーズ・タイペイ戦では右投げの剛腕タイプとしてソフトバンクの森唯斗も招集され、1回を3者凡退と結果を残した。野口氏は「森は今後も入れてほしいですね」と評価しつつ、同じ右の本格派として2人の若手を推薦した。

「今年は先発ローテーションに入っていますが、ソフトバンクの千賀滉大を後ろで使うという手もありますね。去年の日本シリーズのような、ジョーカー的な使い方で。あとは、広島の守護神の中崎翔太が本格的に覚醒すれば面白い。すごいボールを投げています。真っ直ぐの質とかスライダーの曲がりは、かなりえげつないですね」

 昨季広島で29セーブを挙げた23歳の中崎の投球には大きな可能性を感じるという。

 先発投手に目を移すと、チャイニーズ・タイペイ戦で好投した菅野、武田に加え、辞退したエース大谷翔平(北海道日本ハム)、藤浪晋太郎(阪神)らがチームでも活躍しており、右投手は人材が豊富。一方で、左投手は先発タイプが大野雄大(中日)のみで、新戦力の台頭が望まれる。

先発左腕はメジャー帰りのベテランやルーキーも候補に?

 野口氏はまず 「和田毅が大丈夫なら、左がいないので大きいですね」と、ソフトバンクに復帰したベテラン左腕の名前を挙げた。日本代表での実績も豊富で、昨年まで米国でプレーした経験も貴重だ。

 埼玉西武で開幕投手を任された左腕も候補の1人。菊池雄星はプロ入り前からその素材を高く評価されており、プロ7年目の今季こそ大ブレークが期待される存在だ。野口氏も「雄星がどのくらいいってくれるか。カーブとスライダーがいいですし、パワーピッチャーでもある。(日本代表に)左のエース格がいれば……」と言う。

 さらに、“隠し玉”としてDeNAのドラフト1位ルーキーも候補に上がった。「セ・リーグでは期待を込めて今永昇太ですね。彼はかなりものが良いと思います」。オープン戦から好投を続けてきた左腕は、プロ2戦目の中日戦は敗戦投手となったものの、7回3安打1失点と上々の内容。実力の片鱗を見せつけた。

 昨年、ルーキーながら37セーブを挙げた山崎康晃(横浜DeNA)、高卒4年目で初の2桁となる13勝を挙げた武田のように、今季のペナントレースで予想以上の活躍を見せる投手が出てくる可能性も十分にある。「投手王国」日本は、投手力をさらに強化できるだろうか。

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