侍ジャパン女子代表、7戦全勝で決勝へ 5連覇へ準備万端「思う存分、力を発揮してほしい」

2016.9.11

侍ジャパン女子代表は10日、「第7回 WBSC 女子野球ワールドカップ」(韓国・釜山)のスーパーラウンド最終戦の韓国に6-0で勝利。開幕から7戦全勝で11日のカナダとの決勝戦に臨むことになった。

写真提供=Getty Images

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地元・韓国に快勝、カナダとの決勝へ向けてエース里は“調整登板”

 侍ジャパン女子代表は10日、「第7回 WBSC 女子野球ワールドカップ」(韓国・釜山)のスーパーラウンド最終戦の韓国に6-0で勝利。開幕から7戦全勝で11日のカナダとの決勝戦に臨むことになった。前日9日の時点で決勝進出は決まっていたが、先発した荒木未来(アサヒトラスト)が4回1安打無失点6奪三振と快投し、打線も石田悠紀子(新波)の2点タイムリーなどで着実に加点するなど、スキを見せず。ここまで出場機会の少なかった選手を中心にスタメンを組み、決勝で先発が予想されるエースの里綾実(兵庫ディオーネ)も6回途中から“調整登板”させた。万全の準備を整えて5連覇がかかる一戦に挑む。

 日本は初回、2死から川端友紀(埼玉アストライア)が遊撃内野安打で出塁。二盗、三盗を決めると、相手の暴投で先制のホームを踏んだ。さらに、2死二、三塁からは小島也弥(環太平洋大)がショートへのタイムリー内野安打を放ち、初回に2点を先制した。

 先発の荒木は韓国打線を寄せ付けず、4回まで1安打無失点の快投。打線は4回に2点を奪うと、5回1死二、三塁では石田の2点タイムリーが飛び出し、6-0とリードを広げる。

 そして、対戦相手の地元・韓国のファンが多く集まったスタンドからもどよめきが上がったのは、6回の日本の守備での場面。5回から登板していた田中露朝(尚美学園大)に続き、この回1死一塁から吉井萌美(アサヒトラスト)を投入した大倉孝一監督は、2死一塁となってエース里をマウンドに送った。

出場機会の少ない野手も先発出場、大倉監督は「選手が力を発揮できる準備をして臨みたい」

 決勝のカナダ戦に先発することが確実視されている右腕の登場に驚きの声が上がる中、続く打者の打球はセンター左へのライナーとなったが、5回の守備から出場していた三浦伊織(京都フローラ)が前進してきて好捕。無失点で切り抜けた。

 最終回も続投した里は1死からライト前へのヒットを許すも、最後は三ゴロ併殺打でゲームセット。日本は初戦から7連勝、W杯は2012年から20連勝として、決勝に弾みをつけた。

 翌日の決戦で先発が濃厚となっている里が、なぜ救援登板したのか。大倉監督は「スーパーラウンドの1試合目(7日・ベネズエラ戦)で投げてから3日間空いて、ということになったので、もう1回マウンドの感覚だけを掴んでもらおうと思って、短いイニングを投げさせました」と意図を明かした。万全の状態で決戦に臨んでもらうための“調整登板”だったという。

 里自身も「ここまでブルペンでの投球練習で調整してきたんですけど、ブルペンとマウンドの感覚は全然違うので、もう1度投げておきたかった」と話した。ここで投げた13球が、5連覇達成への大きなプラス材料となりそうだ。

 また、この試合では、1番・平賀愛莉(平成国際大)、4番・有坂友理香(アサヒトラスト)、7番・石田、8番・田口真奈(環太平洋大)、9番・長池玲美菜(MSH医療専門学校)と、前日(9日)のオーストラリア戦でベンチスタートだった5人がスタメン出場。試合勘を失わないように、打線もメンバーを入れ替えた。投打ともに、準備を整えた。

 大倉監督は「ここまでは全て決勝のための準備だったので、もう一度、今晩仕切り直して、本当に1から決勝の準備だけに全力を注ぎたいと思っています。5連覇を目指すために1年間準備をしてきて、やっとここまで来ましたから、決勝はプレッシャーをかけずに思う存分、選手に力を発揮してほしい。そして、力を発揮できる準備をして臨みたいと思います」と誓った。

 W杯21連勝での5連覇、そして2大会連続の全勝優勝という偉業へ向けて、王者に死角はなさそうだ。

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写真提供=Getty Images

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