侍ジャパン女子代表が大勝で5連勝 序盤に小技で相手のミス誘発、高い技術で掴んだ必然の勝利

2016.9.9

侍ジャパン女子代表が「第7回 WBSC 女子野球ワールドカップ」(韓国・釜山)で開幕5連勝を飾った。8日のスーパーラウンド第2戦で、チャイニーズ・タイペイに10-0で5回コールド勝ち。今大会出場国の中では日本に似たチームカラーで強さを見せてきたチャイニーズ・タイペイだったが、直接対決では日本が実力差を見せつける形となった。

写真提供=Getty Images

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チャイニーズ・タイペイにコールド勝ちで5連勝、小技絡めて2回までに3点を先制

 侍ジャパン女子代表が「第7回 WBSC 女子野球ワールドカップ」(韓国・釜山)で開幕5連勝を飾った。8日のスーパーラウンド第2戦で、チャイニーズ・タイペイに10-0で5回コールド勝ち。今大会出場国の中では日本に似たチームカラーで強さを見せてきたチャイニーズ・タイペイだったが、直接対決では日本が実力差を見せつける形となった。

 日本は初回、先頭の六角彩子(侍)が相手二塁手のエラーで出塁すると、厚ヶ瀬美姫(兵庫ディオーネ)がきっちりバントで送る。三浦伊織(京都フローラ)は左飛に倒れたものの、続く川端友紀(埼玉アストライア)が鮮やかなレフト前ヒット。主砲の一打で先制に成功した。

 さらに、2回は先頭の小島也弥(環太平洋大)が左中間への二塁打を放ち、船越千紘(平成国際大)がきっちりバント。志村亜貴子(アサヒトラスト)が四球で1死一、三塁とすると、六角が投前へスクイズを決め、小島が相手のタッチをかいくぐって生還した。その後、相手投手が二塁へ牽制悪送球で二、三塁に。厚ヶ瀬のニゴロの間にもう1点を追加し、3-0とリードを広げた。

 いずれも相手のミスからチャンスを作り、きっちりと小技を決めたことで、得点が生まれた場面。この3得点で、完全に日本ペースになった。ただ、チャイニーズ・タイペイは、大倉孝一監督が「強いです。やっぱり守備力ですよ。ピッチャー、キャッチャー含めて、守備力がものすごく安定してます」と警戒していた相手。打線の爆発力や身体能力の高さで勝利をもぎ取る代わりに脆さも見せる中南米系のチームと比べ、日本と似た手堅い野球で今大会は勝ってきていた。

 それが、この試合では序盤にエラーが続出。ミスを逃さなかった日本、そして重要な一戦でミスを重ねてしまったチャイニーズ・タイペイ。両者の実力差がここに現れたようにも見えるが、大倉監督の見方は少し違う。

「向こうが崩れてくれるのはプラスアルファ。1つずつ走者を前に」

「向こうは(盗塁警戒でキャッチャーが)ウエストもしてくるし、牽制も多いし、バントの構えをしたら三塁も前に来ていました。そういう警戒をものすごくしてきました。ただ、(日本が)そういうプレッシャーをどんどん逆にかけていくことがミスにもつながっているし、フォアボールにもつながっているし、エラーにもつながっていると思っているので、前半はどんどん仕掛けていきたかった。プレッシャーをどんどんかけながら、ということですね」

 チャイニーズ・タイペイが勝手にミスをして、崩れていってくれたわけではない。日本の小技を警戒するからこそ、ミスが生まれるのだ。つまり、必要な場面でしっかりバントを決め、走者は塁上から常に投手に重圧をかけるなど、やるべきことをやっていくことが重要になると、指揮官は考えている。

「向こうが崩れてくれるのはプラスアルファで、1つずつ、1つずつ(走者を)前に進めていくということですね。特に(試合の)前半は。今まで(の試合)も前半にスクイズで1点目、2点目を取ってというケースがほとんどだったと思いますけど、ゲームの主導権を早いうちに取りたいんです」

 日本はミスを待っているのではなく、相手にプレッシャーをかけて、ミスをさせている。これこそが勝因となった。必然の勝利だったと言えるかもしれない。

 スーパーラウンドに入り、Aグループ1位だったベネズエラと、Cグループ1位だったチャイニーズ・タイペイをそれぞれ大差で撃破。強さを見せている日本だが、ここで油断するわけにはいかない。5連覇まで、決勝戦を含めて残り3試合も勝ちきることが重要になってくる。

「あくまで最後の決勝戦を取るという、そこの試合に全部の照準を合わせていますので、また明日(9日)もそこを見据えた上で、一からしっかり野球をやっていきたいと思います」

 大倉監督はこう話し、気を引き締め直した。どこが相手だろうと日本の野球を貫けば、5連覇へと確実に近づいていけるはずだ。

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