侍ジャパンの正捕手はオレだ― 中村悠平が見せた闘志と希望

2016.3.6

侍の正捕手はオレだ――。闘志を包み隠すことなく、中村悠平捕手(東京ヤクルト)はリードで、そしてバットで勝利に貢献した。

写真提供=Getty Images

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侍ジャパンを完封リレーに導いた中村、正捕手へ大きく前進

 侍の正捕手はオレだ――。闘志を包み隠すことなく、中村悠平捕手(東京ヤクルト)はリードで、そしてバットで勝利に貢献した。

 鋭い打球が三塁線を襲った。3月5日、ナゴヤドームで行われた「日本通運presents 侍ジャパン強化試合」チャイニーズ・タイペイ戦。2回2アウト一、二塁と先制の絶好のチャンスだった。

 打席に立った中村は、以前、横浜DeNAに所属していたこともあるチャイニーズ・タイペイ先発の王溢正投手からタイムリー二塁打を放った。侍ジャパン初のスタメンマスクで初ヒット初打点となった一打に、ヒーローインタビューでは「素直にうれしかったですね。はい。せっかくこうして日本代表として呼んでいただけたので、元気よくやっていこうかなと思っていました」と喜びを表した。

 女房役としても5人の投手で完封リレーを導いた。

 先発した読売のエース菅野智之が「キャッチャーの中村がうまくリードしてくれました」と振り返るように、内、外のうまい出し入れや、強気のリードで相手打線を封じていった。

 2番手の大野雄大(中日)が2回3奪三振、1安打無失点で抑えると、東京ヤクルトでバッテリーを組んでいる小川泰弘も女房役に全幅の信頼を置いて2回を無失点。同じく東京ヤクルトの秋吉亮も三者連続三振。9回は増井浩俊(北海道日本ハム)がきっちりと締め、相手打線に三塁を踏ませなかった。

 主将として期待の高かった楽天の嶋基宏捕手(東北楽天)が左手甲打撲で今回の招集を辞退し、巡ってきたチャンス。「侍ジャパンの正捕手のポジションを奪いたい」と胸に闘志を抱いていた。初めての日の丸は2012年。その時からチャンスをうかがっていた。これまでは嶋や埼玉西武の炭谷銀仁朗捕手が先発マスクをかぶる機会が多く、控えが多かったが、昨年、セ・リーグ覇者となった自信と経験が成長につながった。

 迎える2016年シーズンは世界一奪還に向けて大きな1年となる。「しっかりと1年間やることが大切だと思っています」。これまで日本代表に君臨した城島健司氏や阿部慎之助(読売)のような正捕手たちに続けるか。侍ジャパンに大きな希望の光が灯った。

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