侍ジャパンで再び世界の頂点を 2021年に予定される各カテゴリーの世界大会

2021.1.4

世界中に感染拡大した新型コロナウイルスの影響のため、3月以降に予定されていた国際大会が軒並み、中止・延期となった2020年。野球日本代表「侍ジャパン」も全カテゴリーで実戦が行われず、活動再開に向けての準備期間となった。一時は世界中で野球をはじめとするスポーツ界が活動を停止。感染拡大に配慮しながら再び始動すると徐々に活気を取り戻し、ファンにも笑顔が戻ってきた。そんな中で“ウィズコロナ”時代として幕を開けた2021年。新型コロナウイルス感染症を取り巻く状況によってはさらなる予定変更の可能性もあるが、1月4日現在、侍ジャパンはトップチームを除く4つのカテゴリーでワールドカップ開催が予定されている。

写真提供=Full-Count

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2020年にはコロナ禍により3カテゴリーで世界大会開催を延期

 世界中に感染拡大した新型コロナウイルスの影響のため、3月以降に予定されていた国際大会が軒並み、中止・延期となった2020年。野球日本代表「侍ジャパン」も全カテゴリーで実戦が行われず、活動再開に向けての準備期間となった。一時は世界中で野球をはじめとするスポーツ界が活動を停止。感染拡大に配慮しながら再び始動すると徐々に活気を取り戻し、ファンにも笑顔が戻ってきた。そんな中で“ウィズコロナ”時代として幕を開けた2021年。新型コロナウイルス感染症を取り巻く状況によってはさらなる予定変更の可能性もあるが、1月4日現在、侍ジャパンはトップチームを除く4つのカテゴリーでワールドカップ開催が予定されている。

 まずは、3月1日から9日間の日程で行われるのは「第9回 WBSC女子野球ワールドカップ」だ。当初は2020年11月に予定されていたがコロナ禍により延期。メキシコの北部、アメリカ合衆国との国境の街・ティファナを舞台とする大会で“マドンナジャパン”こと女子代表が狙うのは、前人未到の7連覇だ。前身となる「IBAF女子野球ワールドカップ」を含め、日本代表は現在6連覇中という記録を誇る。

 世界的に女子野球は競技人口が増えたこともあり、各代表チームの実力はレベルアップし、その差は確実に縮まってきた。回を追う毎に状況が厳しくなりながらも、世界の頂点に立ち続けるマドンナジャパンだが、今回チームを率いるのは中島梨紗監督だ。投手だった現役時代は第2回大会から5大会連続出場。まだ34歳と若く、チームメートとして共に白球を追った選手も多い。

 中島監督が目指すのは、勝てる強さに言動も伴った「圧倒的」な強さを持ったチーム。「野球が上手いのは当然。さらにもう一つ上のレベルに行くには、『これが女子野球日本代表なんだ!』『見ていて気持ちいいね!』と思われる言動や代表らしさが大切。流石だな、と思われるチームを作っていきます」と、7連覇へ意気込む。

ワールドカップ初優勝を目指すU-15代表、国際交流は大きな飛躍のきっかけにも

 同じくメキシコ・ティファナで3月13日から22日まで開催予定となっているのが「第5回 WBSC U-15ワールドカップ」だ。こちらも当初は昨年10月末から11月初旬に行われる予定が延期された。

 パナマが舞台となった2018年の前回大会には世界各地から12チームが参加。グループBを2位通過した日本は、スーパーラウンドでアメリカ合衆国とパナマに敗れ、3位決定戦へ進出。チャイニーズ・タイペイと銅メダルを争ったが3-6で敗れ、4位に終わった。

 これまでの4大会で日本の最高位は、2016年第3回大会の2位。前身の「AA世界野球選手権大会」を振り返っても、優勝したのは15回のうち2度(1989年、1990年)だっただけに、開催が叶えば頂点を目指したいところだ。

 また、この年代の子どもたちにとって世界を代表する同世代の選手たちと対戦、交流することは大きな刺激となる。2020年のドラフトで千葉ロッテに1位指名された鈴木昭汰投手(法政大)、北海道日本ハムに2位指名された五十幡亮汰外野手(中央大)らもU-15代表経験者。選手にとって、一回りも二回りも大きく羽ばたくきっかけとなりそうだ。

甲子園を沸かせたスターが集結するU-18代表、前回大会では奥川がベストナイン入り

 9月10日から10日間の予定でアメリカ合衆国を舞台に開催されるのが「第30回 WBSC U-18ワールドカップ」だ。1981年に始まった前身の「AAA世界野球選手権大会」から数えると、今回で30回目を迎える長い歴史を持つ。最多優勝回数を誇るのはキューバで11回。続いてアメリカ合衆国が9回、韓国が5回、チャイニーズ・タイペイが3回、カナダが1回となっているが、日本の優勝経験はない。

 日本では夏の甲子園が終わった直後に、甲子園出場校の選手を中心に代表チームを結成。2019年の前回大会では、星稜高校の奥川恭伸投手(現・東京ヤクルト)がカナダ戦で7回無失点と快投し、先発投手としてベストナインに選ばれた。また、創志学園の西純矢投手(現・阪神)は2勝無敗、防御率1.35の成績を残しながら、南アフリカ戦で2本塁打8打点の活躍で最多本塁打賞を獲得している。

 2020年はコロナ禍により甲子園の開催も見送られただけに、開催される大会一つ一つにかける高校球児の思いは強い。30回の節目を迎える大会で初優勝を飾り、新たな歴史を紡ぎたい。

U-23代表はプロとアマが同チームで世界の頂点を目指す貴重な機会

 9月24日から10月3日までメキシコで開催予定となっているのが「第3回 WBSC U-23ワールドカップ」だ。2020年の開催予定を1年延期。これまで日本は2016年に行われた第1回大会で優勝を飾り、2018年の第2回大会は準優勝に終わった。

 侍ジャパンの中で、プロ選手とアマチュア選手の混成チームとなっているのは、女子代表とU-23代表のみ。特に、U-23代表はブレイク間近な若手プロ選手、ドラフト指名が期待される社会人選手らがチームメートとして戦う貴重な場になっている。

 第1回大会には、プロから大会MVPを獲得した福岡ソフトバンクの真砂勇介外野手、東京ヤクルトの山崎晃大朗外野手、横浜DeNAの乙坂智外野手、千葉ロッテの柿沼友哉捕手らが参加したほか、社会人からは三菱重工名古屋の勝野昌慶投手(現・中日)、JR東日本の田嶋大樹投手(現・オリックス)が名を連ねた。

 第2回大会には、2020年に千葉ロッテで4番打者を任された安田尚憲内野手や、13試合連続盗塁を含むシーズン50盗塁でタイトルを獲得した福岡ソフトバンクの周東右京内野手らが参加。侍ジャパンでの国際舞台を生かしながら、大きな飛躍へと繋げた。

 今年もまた、開花の期待が持てる若手選手が王座奪還へ向け、全力プレーを見せてくれるはずだ。

 新型コロナウイルス感染症を巡り、予断を許さない状況が続いてはいるが、野球をはじめとするスポーツが人々にもたらす喜びや感動は大きい。無事、開催の運びとなった暁には、日本はもちろん、世界中の野球ファンが笑顔になれるようなプレーを期待したいところだ。

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