侍ジャパンでの経験を生かし、プロ初勝利 埼玉西武の5年目右腕が国際大会で得たもの

2020.1.27

2016年の「第1回 WBSC U-23ワールドカップ」に侍ジャパンU-23代表の一員として出場し、優勝に貢献した埼玉西武ライオンズの本田圭佑投手。日の丸を背負うことも、国際大会に出場することも初めての経験だったが「楽しんで投げることができた」と振り返る。2019年シーズンは、当時と同じようにピッチングを楽しむことを意識し、プロ入り4年目で初勝利を挙げ、6勝を飾った。

写真提供=Getty Images

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埼玉西武の本田圭佑投手が語る「第1回 WBSC U-23ワールドカップ」での優勝経験

 2016年の「第1回 WBSC U-23ワールドカップ」に侍ジャパンU-23代表の一員として出場し、優勝に貢献した埼玉西武ライオンズの本田圭佑投手。日の丸を背負うことも、国際大会に出場することも初めての経験だったが「楽しんで投げることができた」と振り返る。2019年シーズンは、当時と同じようにピッチングを楽しむことを意識し、プロ入り4年目で初勝利を挙げ、6勝を飾った。

 国際大会には無縁の存在だったと語り、侍ジャパンU-23代表に選出された時も「まさか自分が日本代表になるとは思っていなかったので驚いた」というが、プレッシャーは感じなかったという。

「嬉しい気持ちと楽しみな気持ちが大きくて、緊張はしませんでした。チームメートともすぐに打ち解けて、雰囲気も良く、楽しく大会に臨めました」

 本田投手にとっては、海外を訪れることも初めてだった。グラウンド条件などに不安はあったものの、いざ試合になると気にすることなく投げることができたと話す。その言葉通り、初戦のニカラグア戦では先発して7回を2安打無失点と好投し、チームに白星スタートをもたらした。

「初戦なので『勝たなきゃいけない』という気持ちもありましたが、緊張感よりも楽しく投げさせてもらい、思うようなピッチングができました。海外の選手と対戦するのも初めてでした。体も大きいし、スイングも鋭いので怖さはありましたが、丁寧に低めに投げたり、変化球でかわすことができたら打ち取れるかな、というイメージはありました」

2019年にプロ4年目で初勝利「U-23の経験が、やっと生きてきました」

 スーパーラウンド初戦の韓国戦では、先発して8回を4安打12奪三振1失点と気を吐いた。接戦となった試合は延長にもつれこむも、タイブレークの末に劇的勝利。この試合では127球を投げたが、8回は志願の投球だった。

「日本代表として戦っていますが、埼玉西武ライオンズの一員としても参加しています。チームで活躍することも目標だったので、そこでアピールするためにもできるだけ多く投げたいと思い、続投させてもらいました」

 韓国戦から中2日で行われたオーストラリアとの決勝戦でも救援登板。2イニングを無失点、5三振を奪い、チームは初代王者に輝いた。

「投げるのが楽しかったので、疲れを感じることはありませんでした。勝ちたい、優勝したいという気持ちが強く、そのためなら投げられました」

 日本代表として優勝を果たし、大きな自信を掴んだが、チームでは2017、18年の2年間で1軍登板はわずか計6試合と結果を残すことはできなかった。しかし、2019年は16試合に登板し、4月4日の千葉ロッテ戦でプロ初勝利を挙げた。結果を残せた要因には、U-23代表で経験した「楽しんで投げる」ピッチングを心がけたことにあるという。

「2年目、3年目は、結果を出すことばかりに目が行って、楽しく投げられませんでした。U-23の時は、いい球を投げているから、結果が出ているから楽しいのではなく、最初から楽しんで投げていました。ワクワクしながら勝負を楽しんでいる時は、自分の力を発揮できています。投げることを楽しめるようになったことで、1軍での登板機会が増えたと思います。U-23の経験が、やっと生きてきました」

 日の丸を背負った経験が、これまで結果を残せていなかった右腕を変えた。「もちろん代表は勝敗も大事ですが、そこでプレーすることで成長できる。また代表でプレーしたいと思います」。2020年はさらに勝ち星を伸ばすため、楽しみながら投げることを忘れずに、マウンドで腕を振る。

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写真提供=Getty Images Full-Count

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