侍ジャパン、韓国との決勝“前哨戦”で白星 稲葉監督「どう明日に繋げるかが大事」

2019.11.17

野球日本代表「侍ジャパン」は16日、東京ドームで「第2回 WBSC プレミア12」スーパーラウンド最終戦の韓国戦に臨み、10-8で勝利した。これで17日に行われる決勝へ首位で進出し、2位の韓国と頂点を競う。この日は同点で迎えた3回に打者一巡の猛攻で6点を奪って突き放すと、韓国の猛追を凌いで逃げ切り、決勝の“前哨戦”を白星で飾った。

写真提供=Full-Count

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韓国とのスーパーラウンド最終戦は打撃戦の末に10-8で勝利

 野球日本代表「侍ジャパン」は16日、東京ドームで「第2回 WBSC プレミア12」スーパーラウンド最終戦の韓国戦に臨み、10-8で勝利した。これで17日に行われる決勝へ首位で進出し、2位の韓国と頂点を競う。この日は同点で迎えた3回に打者一巡の猛攻で6点を奪って突き放すと、韓国の猛追を凌いで逃げ切り、決勝の“前哨戦”を白星で飾った。

 両チーム25安打が飛び交う乱戦を制した。試合後、稲葉篤紀監督は「2日間空いていたので試合勘、試合の入りを大事にした。明日に向けて、しっかり入りもやってくれた。早い段階で交代して打席が少なかった選手も立たせることができた。明日は総力戦になる。そこに向けて1試合やりました」と振り返った。試合前にはすでに決勝進出が決定。相手も同じ韓国になると分かっていた。そのため、韓国は主力を温存する作戦に出たが、稲葉監督は優勝を果たすために最後の確認の場とした。

 打線が序盤から繋がった。2回に、この日スタメンに復帰した菊池涼介内野手(広島東洋)が左翼へ放った適時打で先制。3回には坂本勇人内野手(読売)が二塁打で出塁し、丸佳浩外野手(読売)の犠打が内野安打となると、一気に畳みかけた。鈴木誠也外野手(広島東洋)、浅村栄斗内野手(東北楽天)、吉田正尚外野手(オリックス)に安打が出て怒涛の5連打。韓国の先発をKOし、打者一巡の猛攻で6点を奪った。

 直後の4回に先発の岸孝之投手(東北楽天)が韓国打線につかまり、5点を返された。1点差まで詰め寄られたものの、5回に山田哲人内野手(東京ヤクルト)、丸外野手の適時二塁打で2点を追加。得点が欲しい場面で得点し、流れを相手に渡さず、稲葉監督も「今日は非常に良く打線が繋がったという部分では明日に繋がると思います」と手応えを語った。

 岸投手が4回6失点で降板した後は、リリーフ陣が粘投し、韓国の反撃を凌いだ。「韓国打線は強力なので、なかなか簡単に抑えることはできない。粘り強く投げてくれたと思います」と指揮官も評価。5回から大野雄大投手(中日)、山岡泰輔投手(オリックス)、嘉弥真新也投手(福岡ソフトバンク)、大竹寛投手(読売)、田口麗斗投手(読売)と繋ぎ、2点差で逃げ切った。

韓国との2連戦に「今日は雑にいかないようにいこう」

 両チームともに決勝進出を決めた状況での対戦。翌日に控えた決勝を見据えた“前哨戦”で、稲葉監督は「今日は雑にいかないようにいこうと思っていました」と振り返る。5回無死一塁で外崎修汰内野手(埼玉西武)が、7回無死一、二塁では源田壮亮内野手(埼玉西武)が犠打を決めるなど、リードを奪っても、1つ先の塁を狙いながら着実に1点を取りにいく野球を貫いた。

 投手陣こそ韓国打線に11安打8点を許したが、早めの継投策に切り替えず、当初のプラン通りに起用し、決勝に備えた。「投手に関してはある程度プランがあったので代え辛かったですけど、送るところは送るとか、バントを含めて明日に向けてというところではやれたと思っています」と指揮官。侍ジャパンの戦い方を最終確認した。

 韓国は前日のメキシコ戦から先発野手5人を入れ替え、先発投手も今大会で1イニングしか投げていない左腕を起用。決勝に向けて主力を”温存“し、手の内を明かさなかった。主力打者との対戦が限られる中、稲葉監督が「どのコースを振ってくるかとかは、バッテリーがしっかりやっていた」と語る通り、少ないチャンスを生かしながら特徴を掴んだ。

 この日はあくまでも”前哨戦“で、本番は17日の決勝だ。稲葉監督は「勝って気分はいいですけど、今日の試合をどう明日に繋げられるかどうかが大事だと思います。決勝という素晴らしい場所で悔いのないように、全員で結束力を持っていきます」と白星にも気を緩ませず、しっかりと決戦の舞台を見据えた。前回大会で敗れた宿敵を倒して世界一へ。初優勝に向けて、準備は整った。

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