侍ジャパン、決勝進出王手 無敗メキシコに快勝 稲葉監督「我々の勝ち方ができた」

2019.11.14

野球日本代表「侍ジャパン」は13日、東京ドームで「第2回 WBSC プレミア12」スーパーラウンド第3戦のメキシコ戦に臨み、3-1で勝利した。初回に幸先よく2点を先制すると、先発の今永昇太投手(横浜DeNA)ら投手陣がメキシコ打線をソロ本塁打の1安打に封じ込めた。これでスーパーラウンドの通算成績を3勝1敗とし、16日の韓国戦に勝てば決勝進出が決まる。

写真提供=Getty Images

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稲葉監督の打線組み替えが的中、1番から右打者を5人並べて初回2点先制

 野球日本代表「侍ジャパン」は13日、東京ドームで「第2回 WBSC プレミア12」スーパーラウンド第3戦のメキシコ戦に臨み、3-1で勝利した。初回に幸先よく2点を先制すると、先発の今永昇太投手(横浜DeNA)ら投手陣がメキシコ打線をソロ本塁打の1安打に封じ込めた。これでスーパーラウンドの通算成績を3勝1敗とし、16日の韓国戦に勝てば決勝進出が決まる。

 オープニングラウンド、そしてスーパーラウンドと5戦全勝だったメキシコに初めて土をつけた。序盤に先制し、最大の武器である投手力で守り抜くという理想の試合運び。試合後、稲葉篤紀監督も「まず先制点を取れて、ジャパンの流れになった。日本らしい我々の勝ち方ができたと思います」と胸を張る勝利だった。

 指揮官の采配が的中した。この日、メキシコの先発が左腕ということで、1番から5番まで右打者を並べた。「まずは先発投手を崩していかないといけない」と語る稲葉監督は、坂本勇人内野手(読売)を2番に起用。すると、打線がいきなり初回から機能した。

 1死から坂本内野手が安打で出塁。二塁への盗塁を決めると、4番の鈴木誠也外野手(広島東洋)が適時打を放って1点を先制した。さらに外崎修汰内野手(西武)、近藤健介外野手(北海道日本ハム)も安打で続いて、この回に2点を先行した。2回にも2つの四球で1死一、二塁とすると、坂本内野手が左中間へ適時打。リードを3点に広げた。

 このリードを侍ジャパンの最大の武器である投手陣が守り抜いた。先発の今永投手は3回まで1人の走者も許さぬ、完璧な立ち上がり。4回先頭打者にソロ本塁打を浴びたものの、降板した6回まで許した安打はこの1本だけだった。6回1安打8奪三振1失点の好投でリリーフ陣にバトンを渡した。

鉄壁の投手陣がリードを堅守「それぞれが本当に素晴らしい投球」

 7回は甲斐野央投手(福岡ソフトバンク)、8回は山本由伸投手(オリックス)、そして9回は守護神の山崎康晃投手(横浜DeNA)とノーヒットリレー。侍ジャパンの誇る「勝利の方程式」がメキシコ打線の反撃を許さなかった。稲葉監督は「今永投手は素晴らしいピッチングだった。中継ぎも安打ゼロということで、それぞれが本当に素晴らしい投球をしてくれた」と、投手陣の踏ん張りも称えた。

 勝利のポイントは初回、相手左腕に畳みかけた打撃にある。「左のシュートピッチャーでみんながセンターから逆方向という意識が繋がったと思いますね」と稲葉監督が振り返る通り、鈴木外野手の先制タイムリー、近藤外野手の2点目を挙げる適時打はいずれもセンター方向に弾き返すバッティング。ここまで初見の外国人投手には苦戦を強いられたが、基本に立ち戻ったセンター返しで試合の主導権を握った。

 侍ジャパンの首脳陣はこれまでの戦いで、主に足を大きく上げるタイプの打者たちが、外国人投手の投げる球威のある動くボールに苦戦していると分析。金子誠ヘッドコーチ兼打撃コーチを中心に、選手にタイミングの取り方などを助言してきた。「ヘッドコーチが選手にタイミングのこと、色々なことを選手に話してくれていますので、それで選手の意識が変わってくれたんじゃないかなと思います」と稲葉監督。その効果が、好調のメキシコを相手に現れた。

 この日の勝利でスーパーラウンドの通算成績を3勝1敗とした侍ジャパンは、メキシコと並ぶ首位タイに立った。残るは16日に控える韓国との一戦。勝てば17日に行われる決勝に駒を進めることができる。指揮官は「このチームで試合ができるのは韓国戦と、あると予想して決勝の2試合。悔いのないように全員で1試合1試合、結束力を持って戦っていきたいと思います」と気合十分。メキシコに理想的な形で勝利した侍ジャパンは、韓国との大一番にも勝って決勝への道を切り拓く。

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