侍ジャパン、鈴木の一発で2連勝 スーパーR進出決定 稲葉監督「勇気を与えてくれた」

2019.11.7

野球日本代表「侍ジャパン」は6日、台湾・桃園市の桃園国際野球場で「第2回 WBSC プレミア12」オープニングラウンド・グループBの第2戦プエルトリコ戦に4-0で完勝した。3回に鈴木誠也外野手(広島東洋)の3ランなどで4点を先制。先発の高橋礼投手(福岡ソフトバンク)が6回2死までプエルトリコ打線をパーフェクトに封じる好投でリードを守った。侍ジャパンは2連勝を飾り、11日から日本で行われるスーパーラウンドへの進出を決めた。

写真提供=Getty Images

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3回に鈴木が左越え3ラン「みんなが繋いでくれたおかげで打つことができました」

 野球日本代表「侍ジャパン」は6日、台湾・桃園市の桃園国際野球場で「第2回 WBSC プレミア12」オープニングラウンド・グループBの第2戦プエルトリコ戦に4-0で完勝した。3回に鈴木誠也外野手(広島東洋)の3ランなどで4点を先制。先発の高橋礼投手(福岡ソフトバンク)が6回2死までプエルトリコ打線をパーフェクトに封じる好投でリードを守った。侍ジャパンは2連勝を飾り、11日から日本で行われるスーパーラウンドへの進出を決めた。

 点差以上に危なげのない完勝で2連勝を飾った侍ジャパン。試合後、稲葉篤紀監督は「今日は先発の高橋礼が6回まで素晴らしいピッチングをしてくれた。7回以降も投手を使いながら、みんながしっかり0点に抑えてくれた。相手のミスで点が入りましたけど、その後の4番の誠也の一発が勝ちに繋がる一発になったと思います」と、先発した高橋投手と値千金の3ランを放った鈴木外野手の働きに目を細めた。

 先制点は3回2死から生まれた。この日1番に起用された山田哲人内野手(東京ヤクルト)が四球で出塁。2番の菊池涼介内野手(広島東洋)は食らいつきながら、打球は遊撃へのボテボテのゴロに。打った直後に1度転びながらも執念で内野安打にし、チャンスを広げた。

 続く近藤健介外野手(北海道日本ハム)は一塁への内野安打。相手投手のベースカバーが遅れると、さらに一塁手が悪送球し、これで先制点を奪った。そして、鈴木外野手が特大の一発。「みんなが繋いでくれたおかげで打つことができました」と振り返る3ランは、打った瞬間に本塁打と分かる完璧な当たり。この回一挙に4点を奪って主導権を握った。

先発の高橋は6回2死まで完全投球、7回以降は4投手でつなぐ完封リレー

「誠也の一発でベンチにも勇気を与えてくれた。4番が打つとチームはいい雰囲気になる」と稲葉監督は言う。この日の高橋投手には4点あれば十分。アンダースローから繰り出される135キロ前後の直球と110キロ台のスライダーとシンカーを組み合わせて、プエルトリコ打線を翻弄した。

 初回を3者凡退に封じて上々のスタートを切ると、6回2死まで1人の走者も許さないパーフェクト投球を展開した。四球で初めて走者を背負い、次の打者に安打を許し、完全試合、無安打無得点試合の快挙はならず。それでも6回を1安打無失点に封じる完璧な投球だった。

 世界的に見ても珍しい下手投げだ。この日の投球には稲葉監督も「140キロ出ない真っ直ぐですけど、打者を差し込んでゴロに打ち取る。緩急も高低も使いながら、素晴らしい投手だと改めて思いました」と脱帽した。奪った18アウトのうち、内野ゴロが実に14個。まさに凡打の山を築き上げた。

 7回からは嘉弥真新也投手(福岡ソフトバンク)、大竹寛投手(読売)、山本由伸投手(オリックス)、山崎康晃投手(横浜DeNA)と4投手で繋ぎ、ピンチらしいピンチもなくリードを守り抜いた。プエルトリコ戦が終わってから1時間30分ほど後に、チャイニーズ・タイペイがベネズエラに勝利。侍ジャパンとチャイニーズ・タイペイがそれぞれ2連勝で、スーパーラウンド進出を決めた。

スーパーラウンド進出決定も、7日には大一番のチャイニーズ・タイペイ戦

 6日のベネズエラ戦に続き、この日も四球からチャンスを作り、相手のミスに乗じて得点を重ねる試合展開に。安打数は1桁の6安打だったが、数少ないチャンスを得点につなげ、奪ったリードを最大の武器である投手力で守り抜く。稲葉監督の掲げる侍ジャパンの野球が現れた一戦だった。

 スーパーラウンド進出は決まったものの、7日に台中インターコンチネンタル野球場で行われる第3戦のチャイニーズ・タイペイ戦も重要な意味を持つ。スーパーラウンドでは、オープニングラウンドで同組だったチームとの対戦成績が引き継がれる。そのため、第3戦に敗れると、1敗した状態でスーパーラウンドを迎えることになるのだ。

 決勝に進むためには、スーパーラウンドの上位2か国に入らなければならない。それには、たった1つの黒星が命取りになる。「気を抜かずに、明日のチャイニーズ・タイペイ戦もしっかり準備したいと思います。チャイニーズ・タイペイは攻守ともに非常にバランスの取れたいいチームなので、アジアの良きライバルチームとして、互いに切磋琢磨し、野球界を盛り上げられるようないい試合ができるよう準備します」と稲葉監督。3連勝でのスーパーラウンド進出へ。7日、侍ジャパンはグループ最大の相手と戦う。

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