「プレミア12」に挑む侍ジャパンのメンバー決定、山崎武司氏は鈴木誠也に期待「4番候補」

2019.10.15

野球日本代表「侍ジャパン」の稲葉篤紀監督が2019年10月1日に都内で記者会見を行い、10月31日、11月1日に沖縄・セルラースタジアム那覇で開催される「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019 日本vsカナダ」、11月2日(日本時間3日)に開幕する「第2回 WBSC プレミア12」のメンバー28人を発表した。コンディション不良などで選外となった選手はいるものの、現時点での“最強メンバー”を指揮官が選出した。「プレミア12」では、4年前の第1回大会で届かなかった世界一を目指す。

写真提供=Getty Images

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稲葉監督が28人のメンバーを発表、山崎氏は「右打者の大砲も欲しかった」

 野球日本代表「侍ジャパン」の稲葉篤紀監督が2019年10月1日に都内で記者会見を行い、10月31日、11月1日に沖縄・セルラースタジアム那覇で開催される「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019 日本vsカナダ」、11月2日(日本時間3日)に開幕する「第2回 WBSC プレミア12」のメンバー28人を発表した。コンディション不良などで選外となった選手はいるものの、現時点での“最強メンバー”を指揮官が選出した。「プレミア12」では、4年前の第1回大会で届かなかった世界一を目指す。

 今回のメンバーを専門家はどう見ているのか。現役時代に中日、オリックス、東北楽天でプレーし、39歳シーズンの2007年には東北楽天で本塁打(43本)、打点(108打点)の2冠王に輝くなど、通算403本塁打を放った野球解説者の山崎武司氏が“分析”した。第1回は野手編だ。

 今回の侍ジャパンのメンバーは以下の通りとなっている(※10月1日発表時のもの)。

○投手
岸孝之(東北楽天)
山岡泰輔(オリックス)
松井裕樹(東北楽天)
山口俊(読売)
山崎康晃(横浜DeNA)
今永昇太(横浜DeNA)
大野雄大(中日)
高橋礼(福岡ソフトバンク)
千賀滉大(福岡ソフトバンク)
山本由伸(オリックス)
森原康平(東北楽天)
中川皓太(読売)
田口麗斗(読売)

○捕手
小林誠司(読売)
會澤翼(広島東洋)
甲斐拓也(福岡ソフトバンク)

○内野手
山田哲人(東京ヤクルト)
源田壮亮(埼玉西武)
浅村栄斗(東北楽天)
菊池涼介(広島東洋)
外崎修汰(埼玉西武)
坂本勇人(読売)
松田宣浩(福岡ソフトバンク)

○外野手
近藤健介(北海道日本ハム)
周東佑京(福岡ソフトバンク)
吉田正尚(オリックス)
鈴木誠也(広島東洋)
秋山翔吾(埼玉西武)

 まず、元スラッガーらしく山崎氏が不安な点として指摘したのは、大砲の不在だ。

「ちょっとバッターが弱い感じがしますね。長距離砲を抜いているので。打線が心配ではあります。一人、右打者の大砲を入れてもよかったかなと思いました。例えば、岡本選手くらいは入っていてもよかったかなと。相手が左ピッチャーのときに右の大砲が一人欲しかった」

 実際に、本職が一塁手の選手はおらず、岡本和真内野手(読売)に加えて、パ・リーグ本塁打王の山川穂高内野手(埼玉西武)らが選出されなかったことも話題になった。稲葉監督は、2013年に一塁手部門でゴールデングラブ賞に輝き、現在は二塁手が本職の浅村内野手を一塁のレギュラーとして起用する方針を明かしている。

侍ジャパン打線で山崎氏が期待するのは鈴木「引っ張っていってほしい」

 ただ、このメンバー選考には稲葉監督の“色”が出ていると山崎氏は分析。福岡ソフトバンクで育成契約から今季ブレークした俊足の周東佑京外野手を選出するなど、スピードを意識した人選となっているからだ。山田内野手、坂本内野手、鈴木外野手ら、長打力に加えて走力を兼ね備えた選手が多いのも特徴となっている。

 山崎氏は「機動力を生かした『スモールベースボール』をやる形になっていますよね。周東選手のように足のスペシャリストも選んでいるわけですから。自分がやりたい野球、1点、2点で逃げ切る野球をするのではないでしょうか」と予想。まさに、稲葉監督の“決意表明”とも取れるメンバー選考だと語った。

 では、この中で侍ジャパン打線を引っ張るべき選手は誰なのか。山崎氏はすぐに鈴木外野手の名前を挙げた。25歳にして広島東洋の4番にどっしりと座る男は今季、140試合に出場して打率.335、28本塁打、87打点をマーク。2位のダヤン・ビシエド内野手(中日)に.020と差をつけ首位打者に輝いた。

「鈴木選手が引っ張っていってほしいですね。今年の成績も良かったわけですから。日本の首位打者が世界でも通用するぞ、というところを見せてほしいですね。このメンバーだと、鈴木選手が4番候補になってくるでしょう」

 世界一へ、日本の強みである「スモールベースボール」を前面に押し出しつつ、「4番候補」の鈴木外野手のような、決めるべき選手が試合を決める。そんな展開になることを山崎氏は望んでいる。


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