「とてもいいチーム」―若手中心の侍ジャパン、メキシコ代表はどう見た?

2019.3.18

野球日本代表「侍ジャパン」は3月9日、10日に京セラドームで「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019 日本vsメキシコ」を戦った。第1戦は序盤にリードを奪いながらの逆転負け。雪辱を期した第2戦は4番に入った吉田正尚外野手(オリックス)が満塁本塁打を含む5打点と大活躍し、6-0で快勝した。

写真提供=Getty Images

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若手中心で臨んだメキシコ代表戦、稲葉監督は「大きな収穫を得ることができた」

 野球日本代表「侍ジャパン」は3月9日、10日に京セラドームで「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019 日本vsメキシコ」を戦った。第1戦は序盤にリードを奪いながらの逆転負け。雪辱を期した第2戦は4番に入った吉田正尚外野手(オリックス)が満塁本塁打を含む5打点と大活躍し、6-0で快勝した。

 秋には「WBSCプレミア12」、そして来年もビッグイベントが控えている侍ジャパン。このメキシコ代表との2試合は、最後の選手発掘の場、そして来年以降も侍ジャパンを担うであろう若き才能たちに国際舞台を経験させる場としても活用された。

 野手では2試合で6打点と活躍した吉田だけでなく、19歳の村上宗隆内野手(東京ヤクルト)や吉川尚輝内野手(読売)、投手でも今永昇太投手(横浜DeNA)や山岡泰輔投手、山本由伸投手(ともにオリックス)がそれぞれに光るところを見せた。中心選手の招集が見送られる中で、実りある2試合となり、稲葉篤紀監督は「メキシコの打線、投手(の情報を)含めて大きな収穫を得ることができた。若い選手がどういうプレーしてくれるのかな、という中ですごく選択肢が増えて収穫があった」と、1勝1敗に終わった2試合を振り返っていた。

「とてもいいチーム」「出塁させると、日本の選手は厄介」

「スピード&パワー」を標榜する稲葉監督だが、この2試合において今後の戦いに向けての“ヒント”があった。それが、メキシコ代表から見た侍ジャパンの印象に現れていた。「とてもいいチームだったよ。タレント揃いだし、アグレッシブなチームだ。出塁すると、とても走塁もいい。素晴らしいチームだとリスペクトしていますし、また日本と戦えたらいいなと思います」と第2戦後に語ったのは、メキシコ代表のダン・フィロバ監督だ。

 第2戦、侍ジャパンは5個の盗塁を決めてメキシコ守備陣をかき回した。2盗塁を決めた初回には大量5点を奪取。動くボールを武器とする投手の多い外国人投手の攻略は、一朝一夕にはいかず、苦戦が予想される。その中で機動力は日本の武器。稲葉監督も「やはり武器になるなと感じました」と確かな手応えを得ていた。

 北海道日本ハムと阪神でプレーし、第1戦に先発したルイス・メンドーサ投手も戦前に「とにかく出塁を許さないようにしたい。出塁させると、日本の選手は厄介なので、出塁させないように投球したいと思っているよ」と侍ジャパンの印象を語っていた。1つ先の塁を狙う、足で守備をかき回す。日本が誇る“スモールベースボール”は、相手国にとって脅威となるのは間違いない。

「収穫の多い2試合だった。反省点も含め、いろんなことが起こってくれた。今後に生かしていきたい。この1年選手も見ていきたい。各国の選手の情報収集もしながら、準備していきたいと思います」と、2019年の展望を語った稲葉監督。この経験、収穫を「WBSCプレミア12」、2020年に生かさない手はないだろう。

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