満塁弾で侍ジャパンを勝利に導いた吉田正 フルスイングに武田久氏も脱帽「投手としては嫌」

2019.3.11

野球日本代表「侍ジャパン」は10日、京セラドームで「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019 日本vsメキシコ」第2戦に臨み、6-0で勝利した。4番に座った吉田正尚外野手(オリックス)が初回に先制の満塁ホームランを放つなど、2安打5打点の大活躍。9日の第1戦では逆転負けを喫していたチームを勝利へと導いた。

写真提供=Getty Images

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第2戦は4番で5打点の大活躍、2試合で5打数4安打の打率.800&6打点

 野球日本代表「侍ジャパン」は10日、京セラドームで「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019 日本vsメキシコ」第2戦に臨み、6-0で勝利した。4番に座った吉田正尚外野手(オリックス)が初回に先制の満塁ホームランを放つなど、2安打5打点の大活躍。9日の第1戦では逆転負けを喫していたチームを勝利へと導いた。

 身長173センチと野球選手としては小柄ながら、パワフルな打撃を見せる吉田正外野手。2試合で5打数4安打の打率.800、6打点と結果を残し、侍ジャパンの熾烈な外野レギュラー争いに名乗りを上げた形だ。

 北海道日本ハムで15年間プレーし、2017年限りで退団、現在は投手兼コーチとして日本通運に在籍している武田久氏は、吉田正外野手のトレードマークでもある豪快なフルスイングについて「やっぱり投手としては嫌ですよ」と話す。ポジションは違うとはいえ、身長170センチの体でNPB通算534試合登板、31勝30敗167セーブ107ホールドという輝かしい実績をプロ野球界で残した右腕は、オリックスの若き主砲をどう見たのか。

 吉田正は初回、吉川尚輝内野手(読売)の中前打、中村奨吾内野手(千葉ロッテ)、近藤健介外野手(北海道日本ハム)の連続四球で作った無死満塁の絶好機で打席に入った。メキシコ先発バレダの直球を完璧に捉えると、打球は弾丸ライナーで右翼席へ飛び込むグランドスラムに。日本の流れをグッと引き寄せた。

 さらに、5回先頭の第3打席では右腕レイエスから中前打を放ち、マルチ安打をマーク。5-0となって迎えた7回には吉川内野手の内野安打などで作った1死一、三塁のチャンスで、きっちりと左翼への犠飛を打ち、追加点をもたらした。

「打てなくても、空振りやファウルでピッチャーに対するプレッシャーがあります」

 逆転負けを喫した初戦でも、5番に入って先制打を含む3打数2安打1打点。日の丸を背負い、その実力を存分に発揮した。武田氏は「やっぱり嫌ですよ。凄いですね。あそこまで(バットを)振れるのは。しかも、ファーストスイングで、いきなりファウルにならず仕留めているのは本当に凄い」と脱帽する。たとえ空振りであっても、豪快なフルスイングは投手にプレッシャーをかけるという。

「本当に嫌ですよ。極端に言えば、(初球の)変化球の酷いボールでもブンと振られると嫌です。その後は大体、2ボール1ストライクと(ボール先行のカウントに)なってしまう。打てなくても、空振りやファウルでピッチャーに対するプレッシャーがあります。(投手としては)難しい打者ですね」

 武田氏はこう投手心理を明かした上で「あまり体の小ささを感じさせないというか、パワーも負けてないですよね」と話した。

 この2連戦は若手中心のチーム構成となったため、“常連”の秋山翔吾外野手(埼玉西武)、柳田悠岐外野手(福岡ソフトバンク)、筒香嘉智外野手(横浜DeNA)らの招集は見送られた。さらに、丸佳浩外野手(読売)、鈴木誠也外野手(広島東洋)といった実力者もいない中で、第1戦で3安打を放った上林誠知外野手(福岡ソフトバンク)、2年連続パ・リーグ盗塁王という明確な武器を持つ西川遥輝外野手(北海道日本ハム)らも11月の「WBSCプレミア12」でのメンバー入りを狙える位置にいる。

 武田氏は「外野はレベルが高いですよね。柳田選手はいれば試合に出るでしょうし、秋山選手も外せない。上林選手も外せない。誰が出ても、という状況ですが、迷ってしまいますね」と笑う。ただ、この熾烈な争いの中で、打率.800という結果を残した吉田正が大きなアドバンテージを手にしたことは確かだ。

 まずはペナントレースでも結果を残して、今秋の「WBSCプレミア12」でも打線を牽引する存在になれるか。注目が集まる。


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