侍ジャパン、快勝でメキシコに“雪辱” 武田久氏は完封リレーの投手陣を称賛「理想的」

2019.3.11

野球日本代表「侍ジャパン」は10日、京セラドームで行われた「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019 日本vsメキシコ」第2戦に6-0で勝利した。第1戦では2点を先制しながら、救援陣が4失点を喫して逆転されたが、この日は7投手が完封リレー。メキシコにきっちり勝利した。

写真提供=Getty Images

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第2戦は7投手の完封リレーで快勝、20歳の山本を称賛「堂々としている雰囲気がいい」

 野球日本代表「侍ジャパン」は10日、京セラドームで行われた「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019 日本vsメキシコ」第2戦に6-0で勝利した。第1戦では2点を先制しながら、救援陣が4失点を喫して逆転されたが、この日は7投手が完封リレー。メキシコにきっちり勝利した。

 北海道日本ハムで2017年まで15年間プレーし、現在は投手兼コーチとして日本通運に在籍している武田久氏も投手陣を高く評価。初回に大量点を奪って、無失点で逃げ切るという展開を「理想的だった」と振り返った。

 侍ジャパンはこの日、先発の原樹理投手(東京ヤクルト)、今季から先発に転向する2番手の山本由伸投手(オリックス)がそれぞれ2回無失点に抑えると、田口麗斗投手(読売)、三上朋也投手(横浜DeNA)、森原康平投手(東北楽天)、森唯斗投手(福岡ソフトバンク)、山崎康晃投手(横浜DeNA)がそれぞれ1回無失点。メキシコ打線を8安打無失点6奪三振と抑え込んだ。

 武田氏はまず、先発の原投手について「動く球で面白いなと思いました。シュート系、ツーシーム系で内角を突いていけるので、外角の球も有効に使えます」と評価した。日本の打者と比べて、腕が外角まで伸びてくると言われる外国人打者に対しても効果的だという。

「内角(へのボール)は狙っていても簡単に打てる球ではありません。あれだけ変化させて投げていく自信があれば武器になります。相手は嫌だと思います」

 また、「楽しみにしていた」という山本投手の生きのいいピッチングにも太鼓判を押した。

「去年はほとんどプロ野球を見られなかったので、山本投手は初めて見たんですけど、凄いですね。馬力があります。球速が(直球と)変わらないカットボールがあって、フォークもスピードがある。リリーフが向いているかなとは思いますが、まだ20歳ですから、先発をやるのもいいと思います。マウンドさばきというか、堂々としている雰囲気もいいですね。

 自分の球に自信があって、臆することなくどんどん攻めていっている。9日に登板した山岡(泰輔)投手みたいな感じです。同じオリックスですが、自信に満ちています。山本投手はあれだけの能力があれば、先発もやらせられる。この試合でもカーブを投げていましたが、ゆるい球を投げていけば、長いイニングもできると思います」

名リリーバーが明かすクローザーの“極意”「割り切るところは割り切ることが必要」

 そして、最後の2イニングは森投手、山崎投手と昨年のセ・パ両リーグのセーブ王がパーフェクト救援。NPB通算534試合登板、31勝30敗167セーブ107ホールドという実績を持つ武田氏は「2人とも真っ直ぐがあって落ちる球がある。特徴が出ていました。しっかり実績も上げて、自信も持っている」と評価した。

 この日はどちらも安定感抜群の投球だったが、クローザーに“失敗”はつきもの。そのときにどのように対処するかで、その後の結果が変わってくる。武田氏はどのようにして、過酷な仕事を長年こなしてきたのか。

「長いシーズン、何年も(クローザーを)続けるには、割り切るところは割り切ることが必要です。打たれることもありますし、引きずったりもしますが、諦めるところは諦める。気持ちのケアが大切です。自分は打たれた直後はどうしても話しているうちにボロが出てしまうので、あまり喋らないようにしていました。終わって2、3時間くらいすると冷静になれる。次の日は多少は頭に残っていますが、割り切っていました。抑えをやるピッチャーはチームで信頼を得ている。なので、気負いすぎなくてもいいと思います。打たれる時もありますから。それだけ特別なポジション。みんなが納得して『こいつが打たれたらしょうがない』と思っているでしょうから」

 近年、侍ジャパンは国際大会でクローザーを固定できないことが多いが、森も山崎も有力な候補となってくるだろう。

 稲葉監督が若手選手を試す「最後のチャンス」としていた2試合は1勝1敗という結果に終わり、11月にはいよいよ世界一奪取がかかる「WBSCプレミア12」が控える。2020年にもビックイベントがある。稲葉監督と北海道日本ハムでチームメートだった武田氏は最後にエールを送った。

「本当にあのままの人ですね。いい人というか、あの滲み出ている雰囲気のままの人だと思います。現役の時も、当たり前のように全力疾走とか、そういうことをできそうでできない選手が多い中で、ベテランでもお手本として徹底してやっていた人でした。どこまで監督をやられるかわからないですけど、来年を1つの区切りとして期待しているので、頑張ってほしいなと思っています」


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