侍ジャパン、2019年初陣は逆転負けも…武田久氏が「面白い」と唸った投手は?

2019.3.10

野球日本代表「侍ジャパン」は9日、2019年の初陣に臨んだ。京セラドームでの「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019 日本vsメキシコ」は2-4で敗戦。4回までに2点を奪いながら逆転負けを喫したものの、若手中心で構成された侍ジャパンの選手たちが持ち味を見せた。

写真提供=Getty Images

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敗戦も若手中心のメンバーが持ち味見せる 「ちゃんと試合を作っていた」

 野球日本代表「侍ジャパン」は9日、2019年の初陣に臨んだ。京セラドームでの「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019 日本vsメキシコ」は2-4で敗戦。4回までに2点を奪いながら逆転負けを喫したものの、若手中心で構成された侍ジャパンの選手たちが持ち味を見せた。

 北海道日本ハムで15年間プレーし、2017年限りで退団して現在は投手兼コーチとして古巣の日本通運に在籍している武田久氏は、「ピッチャーが打たれてもそんなに気にすることないと思います」と話す。稲葉篤紀監督が率いる日本にとっては、収穫のある一戦だったという。

 侍ジャパンは先発の今永昇太投手(横浜DeNA)、2番手の山岡泰輔投手(オリックス)がそれぞれ2回を無失点に抑える快投。打線も初回に吉田正尚外野手(オリックス)のタイムリーで先制すると、4回には甲斐拓也捕手(福岡ソフトバンク)のタイムリーで追加点を奪った。

 しかし、5回から3番手でマウンドに上がっていた高橋礼投手(福岡ソフトバンク)が2イニング目の6回に1点を失う。さらに、7回は松永昂大投手(千葉ロッテ)が2失点。そして、8回は梅野雄吾投手(東京ヤクルト)が1失点と3イニング連続で失点し、敗れた。

 ただ、武田氏は「結果的に後ろのピッチャーが打たれたというのはあるのですが、先行逃げ切りで勝てるようにいい形は作れていたと思うので、ピッチャーが打たれてもそんなに気にすることはないと思います。先発ピッチャーを含めてちゃんと試合を作っていたので、良かったと思います」と評価する。

 快投の山岡投手については「もともとキレがあるタイプですが、真っ直ぐのキレがいいから、元々いいスライダーとかチェンジアップも生きてきます。自信に溢れていましたね、マウンドさばきとか雰囲気も。オリックスは金子弌大投手(北海道日本ハムに移籍)らが抜けたので、そういうところも雰囲気に出ていました。自信を持って投げている感じがあります」と絶賛。オフに金子投手、そして西勇輝投手(現阪神)が移籍し、所属するオリックスでもエース格となった山岡投手。マウンド上の姿からは、責任感が見て取れるという。

「サブマリン」の高橋を絶賛「十分に通用する」

 さらに、武田氏が驚かされたというのが高橋投手。プロ2年目の右腕は1点を失ったものの、長身の「サブマリン」で球速も比較的速いというユニークなスタイルを持つ。侍ジャパンに新たな“色”をもたらす存在だ。

「ちょっと打たれましたけど、面白いですね。相手が真っ直ぐを打ちに来ていたのですが、ポイントが近くて、ファウルがいっぱいあったので、十分戦力になりますよね。タイプ的に珍しい。アンダースローだけど、パワー系というか、そういうイメージがあります」

 日本代表では過去にも渡辺俊介投手、牧田和久投手(サンディエゴ・パドレス傘下)といった「サブマリン」がいたが、高橋投手について武田氏は「ちょっと違う」と印象を明かす。「ボールの質を見ていると、どっちかというと本格派に近い感じは受けました。アンダースローで球が速い人というのは(過去にも)あまり見たことないですね。(国際大会では)まずああいう軌道の球を(相手)バッターは見たことがないと思います。それでアドバンテージがあって、球も強いので、十分に通用するんじゃないでしょうか」

 稲葉監督が、若手選手を試す「最後のチャンス」と位置付けている2試合。武田氏は「(相手の)データなどもあると思うのですが、まずは自分のピッチングを大前提にやって、しっかり持ち味を出すことが大事だと思います」とした上で、仮に打たれたとしても「経験値としては絶対にプラスになる」と話す。逆転負けとはなったが、選手にとっては価値ある試合となったようだ。


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