メキシコ戦に挑む若き侍ジャパン28選手 森脇浩司氏が将来の“核”として期待する2人は?

2019.3.4

野球日本代表「侍ジャパン」は3月9日、10日に京セラドームで「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019 日本vsメキシコ」を戦う。すでにメンバー28人が発表され、北海道日本ハム・清宮幸太郎内野手や東京ヤクルト・村上宗隆内野手といった高卒2年目の19歳も選出されるなど、若い選手を中心とした構成となった。

写真提供=Full-Count

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ソフトバンク上林は「弱点が少なく長所が大きい選手」

 野球日本代表「侍ジャパン」は3月9日、10日に京セラドームで「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019 日本vsメキシコ」を戦う。すでにメンバー28人が発表され、北海道日本ハム・清宮幸太郎内野手や東京ヤクルト・村上宗隆内野手といった高卒2年目の19歳も選出されるなど、若い選手を中心とした構成となった。

 今回のメンバーから、今秋に開催される「WBSCプレミア12」、2020年にも代表に入ってくる選手は一体誰になるのか。福岡ソフトバンクでは王貞治監督の右腕としてコーチを、オリックスでは監督、そして昨年までは中日で1軍コーチを務めた森脇浩司氏が本戦でも核になり得る選手について語ってくれた。

 清宮内野手、村上内野手ら若き和製大砲候補に注目が集まる中、森脇氏は初めに福岡ソフトバンクの上林誠知外野手の名前を挙げた。短期決戦で必要になってくるものを考えたとき、上林外野手には走・攻・守で“デメリット”が見当たらないという。

「どの選手も素晴らしい能力を持っているが、使う方(首脳陣)からすれば起用してデメリットがない選手が一番安心できる。これは無難ということではなく計算できるということ。上林は走・攻・守で高いポテンシャルを持っており、日本シリーズなどの大舞台も経験している。例えば打つ方で調子が悪くても足を生かせる。そして守備範囲も広く、強肩を生かして失点を防げることも彼の魅力。弱点が少なく長所が大きい選手はチームにとって貴重な存在であることは間違いない」

オリックス吉田正は「粗削りではなく精度も含んだ打撃を持っている」

 上林外野手の存在は対戦相手にどのような脅威を与えるのか。森脇氏は打席、塁上、そして精神面での“スピード”を挙げた。

「まずはただの凡打になる可能性が低い。走者がいる場面でも足があることで併殺打になりにくく、そこから再びチャンスを作ることができる。もちろん内野安打にも期待が持てるし、走者としても一塁から一気に三塁、二塁から本塁へと全てで得点に絡むことができる。バントも勇気ある戦術のひとつだが、短期決戦ではそれでは間に合わないケースもある。奇襲を使ってでも勝たねばならないイベント。準備のスピード、切り替えるスピードも兼ね備えている点も非常に大きい」

 今回選出された28人中、初選出は11人。実績がありながらも初の選出となったのが、オリックス・吉田正尚外野手だ。豪快なフルスイングでアーチを量産する“大砲”は2020年でも主軸として期待されている。

「プロに入ってからはケガに苦しんだ部分もあったが、本戦で間違いなく打の中心になる。豪快なスイングでホームランばかりが注目されるが、粗削りではない。精度も含んだ打撃を持っているのが彼の最大の特徴。3割を打てる質の高い打撃と試合を決めるクレバーさは相手にとって脅威になる。今年は4年目のシーズンだが、さらなる飛躍を期待したい。短期決戦では強い選手が活躍するもの。両者が持ち合わせる最大の武器は短期決戦で欠かせない勝負心」

 若手中心のメンバー構成でありながらポテンシャルの高さは目を見張るものがある。今シーズンの活躍次第では、侍ジャパンのラインナップに入ることも十分に可能だという。

「我々が考える以上にものすごいスピードで成長する選手たちもいる。まだまだ伸びしろは十分にあるし、侍ジャパンの中でも激しい競争を期待したい。特に清宮、村上、そして私が高校の時から注目していたオリックスの山本由伸らはこの1年でどれだけ成長するのか期待して見届けていきたい」

※2019年2月19日にインタビューを行った記事となります。

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