侍ジャパン、メキシコ戦は28人中27人が平成生まれ 若手主体のメンバーを選んだ稲葉監督の狙い

2019.2.25

野球日本代表「侍ジャパン」は3月9日、10日に京セラドームで「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019 日本vsメキシコ」に挑む。今秋に予定されている「WBSCプレミア12」、そして2020年に向けた強化の場となる2試合。2月18日には稲葉篤紀監督が沖縄・那覇市内で会見し、メンバー28人を発表した。

写真提供=Full-Count

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2020年へ若手を試す「最後のチャンス」、高卒2年目の清宮内野手や村上内野手を選出

 野球日本代表「侍ジャパン」は3月9日、10日に京セラドームで「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019 日本vsメキシコ」に挑む。今秋に予定されている「WBSCプレミア12」、そして2020年に向けた強化の場となる2試合。2月18日には稲葉篤紀監督が沖縄・那覇市内で会見し、メンバー28人を発表した。

 稲葉監督は会見の場で「チームを作り上げていく過程で、本番までに不測の事態や想定外なことが起きることもあると考え、このメキシコ戦は私の選択肢を増やすためにも、まだ見ていない力のある選手を試す最後のチャンスとしました」と語った。注目はそのメンバー構成。北海道日本ハムの清宮幸太郎内野手や東京ヤクルトの村上宗隆内野手という高卒2年目の19歳をはじめ、初招集11人というフレッシュな顔ぶれとなった。

 メンバー28人のうち、27人が平成生まれ。唯一の昭和生まれが千葉ロッテの松永昂大投手という“ヤング侍”となったメキシコ戦メンバー。昨年の日米野球で選出された選手や「WBSCプレミア12」で中核になるであろう選手はほとんど選出せず、稲葉監督はできる限り多くの選手に国際舞台を経験させ、その中での力をチェックする場として、このメキシコ戦を活用することにした。

「昨年、日米野球を戦ってある程度自分の中でチームは少しずつできている。プレミア12がある1年の中で、不測の事態や思わぬことというのはあり得る。若い選手を経験させて、あの時あの選手を経験させておけば良かったと後悔のないように、2020年を見据えた。またチームの底上げという部分で、将来的にも背負っていくであろう、私の想いなんですけど、そういう選手を集めました」

 指揮官は会見で若手を多く選出した意図を語った。

 このメキシコ戦を終えると、今秋の「WBSCプレミア12」を戦い、来年を迎えることになる。メンバーにフレキシブルさを持たせ、多くの選手を“テスト”するには、このメキシコ戦がラストチャンスになる。

若手を“テスト”も勝利求める稲葉監督「勝つためにここに呼ばれ、この試合を戦うんだ」

 また、今回のメンバーには、2020年“以降”を見据えた意味も込められている。日本野球協議会副会長で、侍ジャパン強化委員会の山中正竹強化本部長は会見の席で「秋のプレミア12、来年と重要な国際大会を控える中、それ以降も国際大会を戦うトップチームの継続性を持った戦力維持、強化のためにも、チーム力の底上げも必要と考えました。このメキシコ戦はそのチャンスでもあると考えることから、稲葉監督にもそれを踏まえた上での人選を日本野球協議会としてお願いした」と語った。

 メキシコ戦が終わると、2020年が終わるまでは、メンバーの大枠から外れた若手はトップチームで国際舞台を経験するチャンスはなくなる。だが、2021年には「第5回ワールド・ベースボール・クラシック™(WBC)」が控えている。このWBCや、さらにもっと先に侍ジャパンメンバーに入る可能性のある選手に、国際経験を積ませる貴重な機会だと判断したのだ。

 28人の中でも注目を集める清宮内野手と村上内野手に関して「彼ら2人にはバッティングに期待している。どんどん振っていけるタイプ。こういう日の丸を背負った舞台でも、初球から臆することなく振っていって、相手に向かっていく姿勢、若さを出していってほしい」と期待を寄せた稲葉監督。若き侍たちには「こういう日の丸を背負って戦う独特の国際試合の雰囲気というのは、経験しないと感じられない部分。そこで、自分のプレーのコントロールをできる、緊張した中でいかに自分の力を発揮できるかというところも含めて見ていきたい」と求めている。

 若い選手たちにとって、“テスト”と国際経験の場となるメキシコ戦。とはいえ、日の丸を背負う以上は勝利が求められる。「負けていい試合はないと思っている。ジャパンでは常に勝つ試合を届けたいと思っています。とにかく勝つために、このチームで自分がどういう役割で、どう生かしていけるかということを選手がしっかりと考えてもらいたい。勝つためにやるんだ、と、試されているのではない、と。勝つためにここに呼ばれ、この試合を戦うんだというのは、最初のミーティングで言っていこうかと思います」と稲葉監督も力を込める。平均年齢24歳。若き侍ジャパンは、いかなる戦いを見せてくれるだろうか。

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