侍ジャパンが見せた「結束力」 稲葉監督がつかんだ手応え「非常にいい6戦が戦えた」

2018.11.16

野球日本代表「侍ジャパン」とMLBオールスターチームが戦う「2018日米野球」は15日、ナゴヤドームで最終第6戦が行われ、侍ジャパンが4-1で3連勝を飾った。MLBオールスターチームを相手に、対戦成績5勝1敗と圧勝でシリーズを終えた稲葉篤紀監督は、試合後「2020年に向けて、非常にいい6戦が戦えたと思います。選手は個々にいろいろなことを感じたと思いますが、皆、必ずこの経験を生かして成長してくれると思っています」と大きな手応えを口にした。

写真提供=Getty Images

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稲葉監督が目指した「試すこと」と「勝つこと」の両立

 野球日本代表「侍ジャパン」とMLBオールスターチームが戦う「2018日米野球」は15日、ナゴヤドームで最終第6戦が行われ、侍ジャパンが4-1で3連勝を飾った。MLBオールスターチームを相手に、対戦成績5勝1敗と圧勝でシリーズを終えた稲葉篤紀監督は、試合後「2020年に向けて、非常にいい6戦が戦えたと思います。選手は個々にいろいろなことを感じたと思いますが、皆、必ずこの経験を生かして成長してくれると思っています」と大きな手応えを口にした。

 MLBオールスターチームを相手に、今年は侍ジャパンに初招集されたフレッシュな顔ぶれと、国際経験が豊かな常連組とが入り混じるチーム構成で臨んだ。このチーム構成からも分かる通り、稲葉監督が目指したことは「試すこと」と「勝つこと」の両立だった。

「まずは若い選手を(侍)ジャパンに入れて、若い選手がどういう活躍を見せてくれるか、非常に楽しみにしていた」という指揮官は、投打ともに好感触を感じたようだ。

「ピッチャーがこれだけ素晴らしいバッターを相手に、逃げることなくどんどん攻めてくれた。そういう姿を見せてくれたことが非常に大きな収穫だったと思います。またバッター陣も強いボールを投げるメジャーリーガーのボールに必死に食らいついて、終盤逆転できたことに、さらに大きな自信を持っていいと思います」

「2020年に向けて、私は非常に悩むと思います」

 大会を通じて、選手それぞれが持ち味を十分に出す活躍を見せ、稲葉監督は「2020年に向けて、私は(メンバー選考に)非常に悩むと思います」と、うれしい悲鳴を上げ続けた。

 打線では、第1戦で柳田悠岐外野手(福岡ソフトバンク)が劇的な逆転ホームランを放てば、第4戦には9回に田中広輔内野手と菊池涼介内野手の広島東洋コンビによるスクイズが成功。この日の第6戦は、源田壮亮内野手(埼玉西武)が走者一掃のタイムリー三塁打を右翼線に運び、先行逃げ切り勝利を飾った。

 投手陣では、先発マウンドに上がった岸孝之投手(東北楽天)、上沢直之投手(北海道日本ハム)、大瀬良大地投手(広島東洋)、笠原祥太郎投手(中日)らが、MLBオールスターチームの強力打線に仕事をさせず、守護神を任された山崎康晃投手(横浜DeNA)も危なげないピッチングで試合を締めた。

 稲葉監督は「若手からベテラン選手まで融合したチームでしたけど、チームが1つになり、侍ジャパンとして前に進めた大会になったと思います」と大きな笑顔を浮かべる。

「初日に、あの2人に『このチームを頼むぞ』という話をしました」

 指揮官が手応えを感じた、もう1つの点が「結束力」だ。就任以来、チームの結束力について説いてきたが、今回のチームでは特に結束力の強さと大切さを感じたという。その立て役者として称えたのが、秋山翔吾外野手(埼玉西武)と菊池内野手の常連組だった。

「まずは、チーム全員がこのジャパンに対して強い気持ちを持ってくれたこと。これが一番の勝因だったと思います。特に、秋山選手、菊池選手。合宿初日に、あの2人に『このチームを頼むぞ』という話をしました。そこでしっかりと『任せてください』と心強い言葉をもらいました。経験豊富な選手がこのチームをしっかりとまとめ、また先頭に立ってやってくれたというのが非常に大きかったと思います」

 対戦成績5勝1敗。結果的には、侍ジャパンがMLBオールスターチームを圧倒する形で大会を終えたが、この6戦は侍ジャパンが1つのチームとして成長するための貴重な場となったに違いない。2019年以降、侍ジャパンがどこまで進化し、成長を続けるのか。ファンに大きな楽しみを与える結果となった。


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