侍ジャパン女子代表、W杯6連覇へいざ出陣 橘田監督「女子野球の普及・発展も考えて行動したい」

2018.8.20

第8回WBSC女子野球ワールドカップで6連覇を目指す侍ジャパン女子代表。8月22日から9月1日までアメリカ・フロリダ州にあるUSSSAスペース・コースト・スタジアムを舞台に、頂点を懸けた戦いに臨む。

写真提供=Getty Images

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8月22日からアメリカ・フロリダ州で開幕

 第8回WBSC女子野球ワールドカップで6連覇を目指す侍ジャパン女子代表。8月22日から9月1日までアメリカ・フロリダ州にあるUSSSAスペース・コースト・スタジアムを舞台に、頂点を懸けた戦いに臨む。

 侍ジャパン女子代表は15日に成田空港からロサンゼルスに向かった。ロサンゼルスではドジャースタジアムを訪問し、前田健太投手と対面。「6連覇を目指して、頑張って下さい。たくさんの子供たちが皆さんを目標にして頑張っていると思うので、夢を与えられるような試合をたくさんしてください。応援しています」とエールを送られた。現地16日には試合会場となるフロリダ州に移動し、時差調整も含めた最終練習に臨んだ。

 15日の出発前には、橘田恵監督、出口彩香主将(ハナマウイ)、里綾実投手(愛知ディオーネ)、チーム最年長29歳の川端友紀内野手(埼玉アストライア)、最年少17歳の田端凜々花捕手(折尾愛真高)が記者会見に出席。侍ジャパン初めての女性監督となり、今回初めて女子代表トップチームを率いる橘田監督は「今回は初めてフルの人工芝のグラウンド。特に、投手と打者は基本的に土の上でやってきたメンバーなので、人工芝のマウンドやバッターボックスは国内で調整できる場所がなかった」と、早めの現地入りの意図を明かす。

 4大会連続出場で誰よりも多くの経験を誇る川端は「最年長なのでキャプテンを支え、監督を胴上げしたいです」と宣言。最年少の田端は「元気を出して頑張っていきたいと思います」と意気込みを語ると同時に、北福岡代表として甲子園初出場を飾った男子野球部のメンバーにも刺激を受けた様子。「どんな場面でも、みんなが笑顔で頑張っていたので、自分もどんな場面でも一生懸命声を出して頑張っていこうと思いました」と自身の健闘を誓った。また、2014年、2016年大会でMVPを連続受賞している里は「世界大会に行くからには1位を目標にしている」と優勝を目指すと同時に、「3大会連続でMVPを獲って、殿堂入りできるように頑張ります」と大きな目標を掲げた。

出口主将「全員同じ気持ちになっていれば、必ず優勝できると思う」

 橘田監督が見据えるのは、6連覇はもちろん、その先にある女子野球界全体の発展だ。「大会6連覇が目標ではありますが、日本の選手たちが世界の女子野球に向けて発信できることはたくさんあると思う。野球だけではなく、心構えだったり姿勢だったり、あとは我々のチームワークも含め、女子野球はここまでできるということを、日本から学んでもらえるような立ち居振る舞いをして、女子野球の普及・発展も考えて行動していきたいと思います」と毅然とした口調で語ると、主将の出口も「監督が全て言って下さった。同じ気持ちで良かったと思います。選手、監督、スタッフが全員同じ気持ちになっていれば、必ず優勝できると思う。1つになって戦って、女子野球の普及・発展につながるように頑張っていきたいです」と力を込めた。

 今大会には12チームが出場。AとBの2グループに分かれて、オープニングラウンドをリーグ戦で戦い、各グループの上位3位チームがスーパーラウンドに進出。さらに、決勝と3位決定戦でメダルを争う。決勝と3位決定戦まで進めば、10日間で9試合を行うハードな日程となっている。

 世界ランク1位の日本は、グループBに振り分けられた。同2位のカナダ、4位のオーストラリア、9位のキューバ、10位の香港、13位で初出場のドミニカ共和国と同グループ。専門のアナリストがデータを集めて戦術を練るなど、女子の強化に力を入れているカナダは難敵になりそうだ。

前回大会から平均年齢が約2歳若いフレッシュなメンバー

 最終的には、世界ランク3位の地元・アメリカが最大のライバルになる。初めての自国開催で、2006年以来12年ぶりの金メダル奪取は至上命令。2006年の優勝を経験したマギー・マイドリンガーら3人を代表に招集している。

 2年おきに開催されている大会で2008年から5連覇中の日本は、昨年就任した橘田監督が初めての女性監督として指揮を執る。高校生で編成した昨年9月の第1回BFA女子野球アジアカップ(香港)で代表監督デビューを果たしているが、フル代表を率いるのは今回が初めて。バントと足を絡めたスモールベースボールで6連覇に挑む。

 大倉孝一監督(現駒澤大学監督)が指揮を執った前回2016年大会とは顔ぶれも大きく変わった。前回は30代のベテラン選手2人を含め平均年齢23.55歳だったが、今回の最年長は29歳。高校生3人が選ばれ、平均年齢は21.35歳と若返った。20人中12人が初選出というフレッシュなメンバーで乗り込む。

 今大会のキャッチフレーズは「Can Anyone defeat Japan?(誰が日本を撃破するのか?)」。各国の包囲網をかいくぐり、新生・橘田ジャパンは6連覇を達成できるか、注目される。チームは17日からUSSSAスペース・コースト・スタジアムで練習を行い、22日の開幕に備える。

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