侍ジャパンU-12代表、2連覇を目指し13日からアジア選手権 仁志監督「成長を感じる大会に」

2018.8.13

アジア2連覇をかけ、「第10回 BFA U12アジア選手権」(8月13~19日、台湾・台北市)に挑む侍ジャパンU-12代表。今大会もトライアウトなどを経て選び抜かれた15人の選手が仁志敏久監督に率いられ、優勝、そして、個々の成長を目指して大舞台に立つ。

写真提供=Getty Images

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前回大会で初めてアジアを制覇、今回も「優勝メダルを持って帰りたい」

 アジア2連覇をかけ、「第10回 BFA U12アジア選手権」(8月13~19日、台湾・台北市)に挑む侍ジャパンU-12代表。今大会もトライアウトなどを経て選び抜かれた15人の選手が仁志敏久監督に率いられ、優勝、そして、個々の成長を目指して大舞台に立つ。

 仁志監督らは今回も応募されてきた動画を審査して選考する「侍ジャパンU-12代表全日本合同トライアウト ~デジタルチャレンジ~」を実施。さらに、全日本軟式野球連盟各都道府県支部の推薦を受け、1次選考を通過した選手たちを集めて関西と関東でトライアウトを行い、日の丸戦士を選出した。

 8月8日、台湾出発を控えて東京都内で記者会見に出席した仁志監督は、その段階では「4年前(アジア選手権)と同様に動画だけの選考を行いました。その後にトライアウトを行い、そこから1度合宿はしましたが、すべて選手の力を把握できているわけではありません」と説明。台北入りしてからさらにチームを強化していく考えを明かした上で「生活などもしっかりこちらが見守るというか、教育をしながら、大会が終わった後に子供たちが成長を感じる大会にしたい」と意気込みを明かした。

 仁志監督は2014年から侍ジャパンU-12代表を率いるが、2度目の挑戦となった2016年12月の「第9回 BFA U12アジア選手権」で日本を初めてアジアの頂点に導いた指揮官。今回も目標は優勝だと言い切る。

「前回のチームは精神的にも技術的にも優れたチームでした。今回もまた新たに我々が目を見張るようなプレーであったり、生活ぶりに関してもそういうところを期待しています。前回優勝しているので当然2連覇は目指したいところですが、特にチャイニーズ・タイペイ、韓国は常に日本を目標としているというか、勝ちたいと思われている存在でもありますので、そう簡単ではないと思います。でも、ぜひ優勝して、何かを学んで帰るだけではなく、優勝メダルを持って、生活も精神的にも野球選手としてもいい結果を残して帰りたいと思います」

今大会で選手に収穫を持ち帰ってほしい仁志監督「何かのきっかけになってもらえれば」

 日本は1次ラウンドで、仁志監督も名前を挙げたチャイニーズ・タイペイ、そして、スリランカ、インドネシアとともにグループAに入った。上位2位に入ればセミファイナルに進み、韓国、パキスタン、香港、インドの入るグループBの上位2か国と対戦して決勝進出を決める。今回は13日の1次ラウンド初戦でいきなりライバルの地元チャイニーズ・タイペイと対戦するという厳しい日程。“スタートダッシュ”を決めたい。

 投手陣の中心はまだ決めかねているというが、打線の中心はキャプテンに就任した栗山大成捕手(熊本中央レッドスターズ)になるという。本人も自身のアピールポイントについて「バッティングです」と明言し、さらに「大きい当たりを打つのではなく、ヒットを打ち、ライナーの当たりを打ってつないでいく」と続けた。日本らしく、しっかりと繋いで、着実に点を積み重ねていく攻撃の形を多く作りたいところだ。

 また、これまでも多くの侍ジャパンU-12代表選手を指導してきた仁志監督は勝利以外の大切さも説く。日の丸戦士とはいえ、まだ12歳。グラウンドでは思い切ったプレー、生活面では協調性に期待している。

「プレーの面では日の丸をつけた子供たちですけど、12歳の子供には変わりはないので、できることも当然限られていますし、こちらが思った以上にできることもあります。彼らの力をいかんなく発揮してくれれば、それでいいと思います。もちろん失敗もありますけど、それも我々としては許容範囲です。

 生活の方に関しては集団生活になります。他の国の子供たちもいますし、ホテルでの生活になるので、他の人に迷惑をかけないということと、チーム内でもチームメイトとの生活がうまくできるように。子供といっても考えてできることは多々あると思いますので、そういったところは毎回期待しています」

 侍ジャパンU-12代表に選ばれたからには、それを将来につなげてほしいというのが仁志監督の願い。「まだまだ野球人生としてスタートを切っているかいないか、それくらいの年齢ですので、将来このまま野球を続けていく中で、U-12(代表)に入ったことで考え方が変わったとか、目標が大きくなったとか、そういう何かのきっかけになってもらえればいいなと思います」。これまでと同様、選手たちにとっては実り多き大会となりそうだ。

 記者会見が行われた8日には、侍ジャパントップチームの稲葉篤紀監督が激励のため訪問。栗山主将は「トップチームの監督からU-12(代表)の僕たちに言葉をいただいたので、みんなで頑張って2連覇していきたいです」と刺激を受けた様子で「トップチームと同じユニホームを着ていて、日本代表という責任もあるので、そういうところはしっかり日本代表としてプレーしていきたいです」と“代表戦士“としてのプライドもにじませた。

 中国で初めてアジアの頂点に輝いた2年前に続き、異国の地で子供たちが逞しく成長できるか。仁志監督と選手たちの挑戦が始まる。

記事提供=Full-Count
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