侍ジャパン大学代表の主将を経験してプロへ― 身長169センチの小兵が世界の舞台で受けた衝撃

2018.5.21

身長169センチ、体重69キロの小兵ながらスピードと堅守、巧打を武器にアマチュア時代に日の丸を背負った。オリックスからドラフト3位指名を受け、入団した福田周平内野手だ。侍ジャパン大学代表ではキャプテンも務めた男は「今までやってきたチームの対戦とは違い、重みを感じた」と当時を振り返る。

写真提供=Full-Count

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オリックスの福田周平内野手が振り返る、侍ジャパン大学代表での貴重な経験

 身長169センチ、体重69キロの小兵ながらスピードと堅守、巧打を武器にアマチュア時代に日の丸を背負った。オリックスからドラフト3位指名を受け、入団した福田周平内野手だ。侍ジャパン大学代表ではキャプテンも務めた男は「今までやってきたチームの対戦とは違い、重みを感じた」と当時を振り返る。

 2014年、オランダで行われた「第27回ハーレムベースボールウィーク」で、茂木栄五郎内野手(東北楽天)、吉田正尚外野手(オリックス)、坂本誠志郎捕手(阪神)、山﨑康晃投手(横浜DeNA)、田中正義投手(福岡ソフトバンク)ら豪華メンバーを率いてチームを準優勝に導いた。

 個性豊かな選手たちが集まる中でも「少しプレッシャーはあったが、いざチームに入ったら個人個人がすごく意識の高いメンバーだった。特に僕が何かしている感じではなかった。全体でチームを作っていく雰囲気でしたね」と主将としてのプレッシャーは感じなかった。ただ、大学生で初めて背負った「日の丸」には重圧を感じたという。

 世界と戦った経験については「各チームのトップレベルが集まった中で、国と国が対決することで今までやってきたチームとの対戦とは違い、重みを感じた。ユニホームに袖を通した瞬間から。小さいころから憧れをもっていたので、身が引き締まる思いでした」と振り返る。日本代表という”肩書き”、そして、国を背負うというプレッシャーは今までに味わったことのないものだった。

 同大会は決勝でアメリカに3-6で敗れ、惜しくも準優勝に終わった。強烈な打球を生み出す桁外れのパワー、投手が投げ込む160キロ超の直球などに圧倒されたというが、アメリカから最も強く感じたのは意外にも、日本の武器でもある”緻密さ”。イメージとは違ったプレースタイルに「しっかり右方向にも打ちますし。けっこう、緻密な野球をしてくる。各国のデータも持っていて、研究して試合に向かってくる」と、衝撃を受けた。

世界で受けた衝撃、野球少年に伝えたいこと

 それでも、日本が世界と戦う上で必要なのはやはり「機動力、守備と細かいプレーで戦っていく」ことだと改めて感じたという。外国人のパワー、スピードに真正面から向かっていっても勝負は見えている。それだけに、さらに“緻密さ”を求めていくべき――。福田内野手は「一人、一人に与えられたポジションをしっかり遂行できるか。そこに意味がある」と語る。

 アメリカ代表には、その後メジャーリーグに1巡目指名で入団した選手も多く「すごくいい経験というか、世界のレベルの高さを感じることができました」と話す。プロ野球の世界で戦う今でも侍ジャパン大学代表での経験は貴重な財産となっている。

 170センチにも満たない身長でも大学、社会人で侍ジャパンに選出され、プロ野球選手になった福田内野手は大きな選手と戦うハンデは感じたことがないという。自身と同じような野球少年にも「体が小さくてもまずは野球を楽しんでほしい。僕は今まで野球を楽しんでこられた。野球が好きで楽しくやってきて、それがモチベーションになって頑張ってこられたので」とアドバイスを送る。

 野球日本代表「侍ジャパン」は稲葉監督のもと、世界の頂点に立つ、という命題を背負ってスタートを切っている。福田内野手は「フル代表は日本のプロ野球のトップ選手たちが集まるところ。自分はオリックスでしっかり地位を確立したい。『入りたい』と思ってもそれは自分が操作できないので。まずはプロの世界で結果を残すことですね」と、トップチームへの思いを明かす。日の丸を背負い、経験したことを糧にし、今は厳しいプロの世界で勝負に挑んでいる。

【了】

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次回:5月28日20時頃公開予定

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