侍ジャパン、オーストラリアに快勝で2連勝 山崎武司氏が指摘する「手応え」と「課題」とは

2018.3.5

野球日本代表「侍ジャパン」は4日、「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2018 日本vsオーストラリア」の第2戦(京セラドーム大阪)に6-0で完勝し、シリーズ2連勝を飾った。第1戦に続き、投手陣が無失点リレー。先発の則本昂大投手(東北楽天)が打者7人から5三振を奪う圧巻の投球を見せると、その後は5投手が好投でつないだ。野球解説者の山崎武司氏は、これまでも「日本の強み」と表現してきた投手陣の働きぶりを「評価できる」と称賛。一方で、この日は6点を奪った打線については「少しもったいない」と、今後へ向けて課題が残る内容だったと指摘している。

写真提供=Getty Images

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第2戦も6-0で快勝、快投の先発・則本には「仕上がっていた」

 野球日本代表「侍ジャパン」は4日、「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2018 日本vsオーストラリア」の第2戦(京セラドーム大阪)に6-0で完勝し、シリーズ2連勝を飾った。第1戦に続き、投手陣が無失点リレー。先発の則本昂大投手(東北楽天)が打者7人から5三振を奪う圧巻の投球を見せると、その後は5投手が好投でつないだ。

 野球解説者の山崎武司氏は、これまでも「日本の強み」と表現してきた投手陣の働きぶりを「評価できる」と称賛。一方で、この日は6点を奪った打線については「少しもったいない」と、今後へ向けて課題が残る内容だったと指摘している。

 この試合も圧巻の奪三振ショーで幕を開けた。前日の第1戦では、先発の千賀滉大投手(福岡ソフトバンク)が6打者をすべて三振に仕留める快投を見せていたが、第2戦も則本投手がオーストラリア打線を圧倒。2回に先頭打者に二塁打を浴びた以外は、ほぼ完璧な内容だった。

 直球は150キロ超を連発しながら狙ったコースに決まり、フォーク、スライダーも切れ味は抜群。山崎氏は「フォークはちょっとシュートしながら落ちていましたけど、(全体的には)仕上がっていたなという感じですね。相手があのくらいのレベルだと、則本投手は打たれないでしょうね」と評価した。

 3回からは、田口麗斗投手(読売)、堀瑞輝投手(北海道日本ハム)がそれぞれ2イニング、高梨雄平投手(東北楽天)、石崎剛投手(阪神)、松井裕樹投手(東北楽天)が1イニングを好投し、2夜連続の無失点リレー。2試合でチームとして与えた四球はわずか1つと安定した内容で、日本の投手力の高さを改めて見せつけた。

山崎氏が打線に「もったいない」と指摘した理由

 山崎氏は「投手陣は相変わらず良かったですね。オーストラリアのメンバーを見ると、日本のレベルの方が高いというのはありましたけど、四球が1つというのは評価できますし、大したものですね」と称えた上で、「今後は少しずつ強いチームとやって、感触を掴んでいってほしいです」とさらなるレベルアップに期待した。

 一方、打線は秋山翔吾外野手(埼玉西武)が3安打2打点、松本剛外野手(北海道日本ハム)が2安打3打点と1、2番コンビが躍動。6番に入った上林誠知外野手(福岡ソフトバンク)、9番の今宮健太内野手(福岡ソフトバンク)も2安打をマークして6点を奪ったが、クリーンアップは無安打に終わった。試合は完勝だったとはいえ、課題も見えたと山崎氏は指摘する。

「投手陣がよかっただけに、打線がもったいなかったですね。まだまだ、もっと点数を取れる感じではあったので。攻撃が雑だったというか、残塁が多かった。ただ、これはまた国際大会になれば監督の采配で変わってくるとは思います。ランナーを三塁に置いたところでの(ヒット)1本というのは大事になってくると思うので、バッター陣も改善していかないと」

 もっとも、ペナントレースの開幕まで3週間以上と、どうしても投手陣よりも打者陣の仕上がりの方が遅い時期でもある。3番の柳田悠岐外野手(福岡ソフトバンク)、5番の浅村栄斗内野手(埼玉西武)に好機で1本が出なかったことについては、「まだ仕上がっていない。そのあたりは何も心配してないですけど」としながらも「この試合に関しては、残塁が多かったのは少しもったいなかったですね」と山崎氏は言う。国際大会でセーフティーリードはないだけに、監督の采配も含めて、どのようにして点数を積み重ねていくかは、課題の1つと言えそうだ。

 稲葉篤紀監督の就任後、初めて年齢制限の規定がない中で行われた2試合。ただ、昨年の「第4回ワールド・ベースボール・クラシック™(WBC)」でエースだった菅野智之投手(読売)をはじめ、今回は招集が見送られた選手もいる。代表争いは今後、激しくなっていくことが確実だろう。

 山崎氏は「手応えはありました。勝ったわけですから。そんな中でも、課題は絶対に出てくるものです。そういう部分を(今後も)試合をしながら徐々に見ていって、人選を進めていけばいいのかなと思います。まだ(代表候補は)いっぱいいますから、次はメンバーがガラッと変わる可能性もあります」と話す。この2試合を今後にしっかりとつなげていきたいところだ。


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【了】

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