千賀滉大のフォークは「まず打てない」 圧巻のパーフェクト投球、全6打者から三振奪取

2018.3.4

3日の「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2018 日本vsオーストラリア」の第1戦(ナゴヤドーム)を2-0で制した野球日本代表「侍ジャパン」。稲葉篤紀監督が就任してから初めて年齢制限のないトップチームで臨んだ試合で、勝利の立役者となったのが、6人で無失点リレーを見せた投手陣だ。

写真提供=Getty Images

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先発で正真正銘の「パーフェクト投球」、フォークは「シーズンのように落ちていた」

 3日の「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2018 日本vsオーストラリア」の第1戦(ナゴヤドーム)を2-0で制した野球日本代表「侍ジャパン」。稲葉篤紀監督が就任してから初めて年齢制限のないトップチームで臨んだ試合で、勝利の立役者となったのが、6人で無失点リレーを見せた投手陣だ。

 特に、出色の出来だったのが先発の千賀滉大投手(福岡ソフトバンク)。打者6人をすべて三振に仕留めるという、正真正銘の「パーフェクト投球」を見せた。野球解説者の山崎武司氏は、最大の武器であるフォークについて「打者はまず打てない」と脱帽。千賀投手以外のピッチャー陣についても「日本の強み」と表現し、称賛した。

 圧巻の奪三振ショーだった。千賀投手は初回、先頭ダリル・ジョージを全て直球で空振り三振に仕留めた。さらに、続くティモシー・ケネリーは追い込んでからフォークで空振り三振。3番のルーク・ヒューズからは150キロの直球で空振り三振を奪った。2回は先頭デービッド・カンディラスを151キロの直球、ミッチェル・ニルソンは152キロの直球で、いずれも空振り三振。最後の打者アラン・デサンミゲルは外角へのスライダーで見逃し三振に仕留めた。

 6つ並んだ「K」。試合後、千賀投手本人は「出来すぎだと思っています。なかなか出来ることじゃないので、マグレが起きたなと思っています」と謙遜したが、山崎氏は右腕の仕上がりの早さに感心したという。

「フォークはシーズンのように落ちていました。あれでは、打者は追い込まれたらまず打てないでしょう。ストレートも150キロを超えていましたから、オーストラリアにも千賀投手は要注意とあらためて印象づけられたんじゃないかなと思います」

オーストラリアに植え付けた苦手意識「評価は高いでしょうね」

 国際大会では何度も対戦経験があるオーストラリア。苦手意識を植え付けられたことは、今後のことを考えても大きなプラス材料だというのだ。山崎氏は「日本の強みは投手力」と言い切る。昨年3月の「第4回ワールド・ベースボール・クラシック™(WBC)」で日本からただ一人、大会ベストナインに輝いた千賀投手は、その中心となっていく存在と言えるだろう。

 さらに、2番手で2回1安打無失点4奪三振とほぼ完璧な投球を見せた今永昇太投手(横浜DeNA)についても「どこでも投げてくれそうで、使い勝手がいいですよね」と高く評価。山崎氏は2016年シーズン終了後、2017年3月の「第4回ワールド・ベースボール・クラシック™(WBC)」のメンバーにも今永投手を救援として「入れておきたい。間違いなく面白い」と話していたが、その実力を改めて称えた形だ。

 千賀投手から始まった完封リレー。山崎氏が「とにかくディフェンス。点数が取れなくても、ロースコアで逃げ切れる」と掲げる「日本の野球」を実現するために、今後も投手陣の踏ん張りは必要不可欠となる。「(救援陣の)後ろのほうがまだちょっと怖いところもあった」と課題も指摘するが、勝利を呼んだのは「全体的には良かった」という6投手の投球。そして、その流れを作ったのは間違いなく千賀投手だった。

 山崎氏は、オーストラリア側の千賀投手の見方について「評価は高いでしょうね」と言う。実際に、米国出身のスティーブ・フィッシュ監督は試合後に「本当にいいボールを持っているし、変化球も素晴らしい。凄い選手だと思う」などと賛辞を並べていた。千賀投手にとっても、侍ジャパンにとっても、実りある投球となった。


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【了】

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