侍ジャパンがオーストラリアと対戦へ 稲葉監督が明かしたメンバー選考の“意図”

2018.2.26

稲葉篤紀氏を新監督に迎え、世界一奪還に向けて再スタートを切った侍ジャパン。昨年7月に就任した新指揮官のもと、初めて“フルメンバー”で挑む大会が3月3、4日に開催される「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2018 日本vsオーストラリア」だ。年齢制限なしで行われる今回の試合のメンバー発表は注目を集めたが、将来を見据えて若手も多く選出された。

写真提供=Getty Images

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「東京五輪への土台作り」―“常連組“に加えて若手も選出

 稲葉篤紀氏を新監督に迎え、世界一奪還に向けて再スタートを切った侍ジャパン。昨年7月に就任した新指揮官のもと、初めて“フルメンバー”で挑む大会が3月3、4日に開催される「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2018 日本vsオーストラリア」だ。昨年11月の「ENEOS アジア プロ野球チャンピオンシップ2017」では、出場選手が原則24歳以下、入団3年目以内(オーバーエイジ枠3人を含む)という大会規定の中で行われた。そのため、年齢制限なしで行われる今回の試合のメンバー発表は注目を集めたが、将来を見据えて若手も多く選出された。

 3日にナゴヤドーム、4日には京セラドーム大阪を会場として、計2試合を行う今シリーズ。オーストラリアは、2004年のアテネ五輪準決勝では0-1で敗れた因縁の相手でもある。2020年の東京五輪でも対戦する可能性があるため、日本にとってはチーム作りだけでなく、データを取る上でも貴重な試合になるはずだろう。

 今回のメンバー選考について、稲葉監督は2月20日の記者会見で「2020年東京五輪の金メダル獲得に向けた土台作り。若い選手も何人も選んでいますので、ここでしっかりとコミュニケーションを取りながら今後につなげていくチームができればと思っています」と話している。則本昂大投手(東北楽天)、柳田悠岐外野手(福岡ソフトバンク)、筒香嘉智外野手(横浜DeNA)ら“常連組”に加え、堀瑞輝投手(北海道日本ハム)、西川龍馬内野手(広島東洋)、大山悠輔内野手(阪神)といったプロでは実績の多くない選手も選出された。

 もちろん、中心となるのは“常連組”。侍ジャパンでは中継ぎとしても起用されてきた則本投手に関して、稲葉監督は「国際経験も豊富ですので、若い選手にどんどん伝えていってほしい。今回は先発をやってもらおうかなと思っている」と、投手陣のリーダー格に指名した。

 そして、走攻守でトップクラスの能力を持つ柳田外野手、日本が世界に誇る長距離砲・筒香外野手には大きな期待を抱く。オーストラリア戦、2020年の東京五輪でも間違いなく主軸に座るであろう2人を「今、現在でいえば4番は筒香選手。柳田選手は1番であれだけのフルスイングをされると相手チームからしたら嫌な存在。どこの打順で生かされるのか、これから考えたい」と高く評価している。

激しい正捕手争いに期待「みんながそこを目指してやってほしい」

 また、一つのポイントとなるポジションは捕手だろう。昨年の「第4回ワールド・ベースボール・クラシック™(WBC)」では小林誠司捕手(読売)が担ったポジション。小林捕手は今回も選出されているが、「ENEOS アジア プロ野球チャンピオンシップ2017」のメンバーだった甲斐拓也捕手(福岡ソフトバンク)、田村龍弘捕手(千葉ロッテ)も名を連ねた。指揮官は「代表チームに入ったら、レギュラーを取ってもらうことに関しては、みんながそこを目指してやってほしい」と激しい正捕手争いを望んでいる。

 侍ジャパンにはプロ野球界のトップレベルの選手たちが集結するだけに、現時点ではチームをまとめるキャプテンは置かない方針。選手個々がコミュニケーションを取りながら、意見をぶつけ合い、トップチームを形成していく。稲葉監督は「あえてキャプテンを作らず皆に色んな発言をしてもらってチームを作っていく。ひょっとしたら五輪の年(2020年)にはキャプテンを作るかもしれない。どういう選手がキャプテンに向いているか見極めていきたい」と、狙いを口にしている。

「しっかりといい準備をして、(東京五輪で)金メダルを取って日本の皆様に喜んでもらえるようにしたい。しっかりと勝つというところを選手には伝えていきたい」

 稲葉監督が大きな目標に掲げる東京五輪まで残り約2年半。稲葉ジャパンは悲願の世界一に向け、フルメンバーでのスタートを切る。

【了】

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