侍ジャパンの4番に定着できるか 山崎武司氏が山川にかける期待「先輩に追いつき、追い越せで」

2017.11.20

無傷の3連勝で「ENEOSアジアプロ野球チャンピオンシップ2017」の初代王者に輝いた野球日本代表「侍ジャパン」。7-0で快勝した19日の決勝戦・韓国戦では、初戦のホームランの後に当たりが止まっていた4番の山川穂高内野手(埼玉西武)が、4回に先制点につながる四球と好走塁、そして6回には追加点をもたらすタイムリーと主軸として存在感を見せた。

写真提供=Getty Images

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初代王者に輝いた日本、3試合連続で4番を務めた山川は決勝で存在感

 無傷の3連勝で「ENEOSアジアプロ野球チャンピオンシップ2017」の初代王者に輝いた野球日本代表「侍ジャパン」。7-0で快勝した19日の決勝戦・韓国戦では、初戦のホームランの後に当たりが止まっていた4番の山川穂高内野手(埼玉西武)が、4回に先制点につながる四球と好走塁、そして6回には追加点をもたらすタイムリーと主軸として存在感を見せた。

 現役時代に通算403本塁打を記録した野球解説者の山崎武司氏は、同じ「大砲タイプ」の山川について、日本の“次期大砲候補”として期待。今大会はU-24のメンバーにオーバーエイジ枠で加わり、4番に座ったが、今年3月の第4回ワールド・ベースボール・クラシック™(WBC)に出場した強打者たちを脅かすような存在になってほしいとエールを送った。

 16日の韓国戦では6回に貴重な2ランを放ち、4番としての仕事をこなしていた山川。そこから第2戦のチャイニーズ・タイペイ戦、そしてこの試合の第1打席を含めて8打席凡退が続いていたが、大舞台でチームに貢献した。

 4回、先頭で四球を選ぶと、続く上林誠知外野手(福岡ソフトバンク)のバントで猛然と二塁にダッシュ。相手捕手が二塁に送球したものの間に合わず、無死一、二塁とチャンスが広がった。続く外崎修汰外野手(埼玉西武)のライトオーバーのヒットでは、山川が二塁から本塁まで大きな体で“激走”。貴重な先制点をもたらした。さらに、4点リードで迎えた6回にはレフトへ運ぶ2点タイムリー。これが試合を決める一打となった。

 楽天時代には不動の4番としてチームを牽引した山崎氏は「打つ、打たないに関しては、野球だから10回のうち7回は打てない。でも、(打席での)雰囲気は見せてくれればいい」とした上で「侍ジャパンが世界で戦っていくには、足を使っていかなきゃいけない。なおかつ、1人か2人は大きいのが打てるバッターが必要になってきます。そこで、山川選手がどこまで国際試合で打てるか、となってくる。これから育てていってほしいなと感じますね」と話す。

世界で勝つために必要な長打力「そういう存在に山川選手もなってほしい」

 山川は今季、所属の埼玉西武で大ブレーク。その勢いのまま、今回の代表メンバーに選出された。3月のWBCで同じ一塁のポジションを務めた強打者の中田翔内野手(北海道日本ハム)らに刺激を与える存在になれば、日本の底上げにつながる。今大会は打率.214、1本塁打、4打点という結果だったが、山川にはさらに良い結果を求めてほしいと、山崎氏は願っている。

「ホームランというより、(外野手の)間に打っていくバッターというのが侍ジャパンのメンバーでは大事になってくると思うので、そういう存在に山川選手もなってほしい」

 山川の長打力が、世界一奪還へ向けて、埼玉西武だけではなく、日本代表でも必要とされることになるのか。それは今後の結果で変わってくる。成績をしっかりと残せば、「U-24のオーバーエイジ」という枠を飛び越える日が来るはずだ。

「全選手を対象とした侍(ジャパン)メンバーの中に果たして今回のメンバーが何人くらい入れるかと言ったら、野球がやはり非常に“若い”という印象を受けましたし、難しい。(生き残れるのは)本当に数人ではないでしょうか。だから、先輩たちに追いつき、追い越せでやってほしいですね。全体的にはまだまだこれから。日本は強かったですが、このメンバーを本当のオールジャパンとして見みてみると、やはり力は落ちるかなと見えました」

 山川らの“突き上げ”は必要不可欠。そのためにも、今回、日の丸を背負って3試合連続で4番に座った経験はかけがえのないものになると、山崎氏は言う。

「ユニホームが変われば、自分もそうでしたが、緊張感が変わる。日の丸を背負うのがどういうことかというのは、みんな重々分かっていると思います。招集されて(日本代表を)経験するということが、今回の選手たちにとって非常に大きな財産になるし、これから、必ずこの中から代表入りするメンバーが増えてくるわけですから、いい勉強になったんじゃないかなと思います」


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【了】

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