侍ジャパン社会人代表が2大会ぶり優勝へ、いざ決戦 石井監督「緊迫したものになる」

2017.10.8

今月2日に開幕した「第28回 BFA アジア選手権」(台湾)は8日、いよいよ決勝を迎える。予選ラウンドとセミファイナルで4戦全勝の侍ジャパン社会人代表は、2大会ぶりのアジアNo.1を目指し、決勝でチャイニーズ・タイペイと激突する。

写真提供=Getty Images

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前日に続きチャイニーズ・タイペイと対戦、指揮官は接戦を想定

 今月2日に開幕した「第28回 BFA アジア選手権」(台湾)は8日、いよいよ決勝を迎える。予選ラウンドとセミファイナルで4戦全勝の侍ジャパン社会人代表は、2大会ぶりのアジアNo.1を目指し、決勝でチャイニーズ・タイペイと激突する。

 予選ラウンドBグループで香港、パキスタンにコールド勝ち。セミファイナルでは1戦目で韓国に3-0、同2戦目のチャイニーズ・タイペイには10-0の8回コールドで勝利した。4戦全勝と勢いに乗ったまま迎える決勝は、2試合連続でのチャイニーズ・タイペイ戦となる。

 7日の準決勝での対戦は、互いに戦力や戦略を試しながらのゲームとなった。そのため「(決勝は)緊迫したものになる。まずは(相手に)先取点をあげずに守ること。韓国戦と同じような緊張感が出ると思う」と石井章夫監督。指揮官がイメージするのは、接戦となった6日の韓国戦だ。

 この試合は7回まで0-0だったが、8回に日本が3点を取って勝利した。先発・谷川昌希投手(九州三菱自動車)が8回まで粘りの投球を見せ、7回まで無安打に抑えられていた打線は、四球から3連打で畳みかけ、少ないチャンスをものにした。決勝も相手が変わらないので、準決勝同様にミスをせず、我慢強く戦えるかがポイントになりそうだ。

 7日のチャイニーズ・タイペイとの準決勝では、それまで9番を打っていた北村祥治内野手(トヨタ自動車)を2番に置いたことが奏功。5番・菅野剛士外野手(日立製作所)が5打点を挙げ、韓国戦から当たりのなかった3番・藤岡裕大内野手(トヨタ自動車)が8回にコールド勝利を決める適時打を放つなど、攻撃面は好調。藤岡は「3番を打たせてもらっているので打撃でチームに貢献したかった。決勝も打ちます」と気合十分だ。

石井監督「どうやって勝つか。どれだけ勝ちに飢えているか。勝ちにムキになれるか」

 投手陣は、9月30日の練習中に送球を頭部に受けた田嶋大樹投手(JR東日本)を除く全員が登板済み。ここまで登板のない田嶋は「イメージはだいたい、ついている。めちゃくちゃ強いのは知っているので慎重にいきたい」と、決戦に向けて気持ちは整っている。7日のチャイニーズ・タイペイ戦で3番手として1イニングを放り、連投が期待される左腕・平尾奎太投手(Honda鈴鹿)は「相手の本気度が違ってきても、同じチームなので、雰囲気を感じられたのは大きい」と話した。投手陣は4試合で合計29イニングを1失点と安定感を見せており、守備も大きなミスはない。

 石井監督が心配するのは、チャイニーズ・タイペイの応援だ。開催地ということで、セミファイナル2戦目も音響や太鼓を使い、スタンドが一体となった盛大な応援が繰り広げられた。完全にアウェーの日本だが、石井監督は「この雰囲気で試合ができたのは収穫」と話す。平尾は「応援がすごくて雰囲気がこれまでと違った」と言いながらも、「音楽とかがあって、自分の中で楽しめた。思い切って1イニングを投げることができた」と、不利とも思われる状況をプラスに捉える。北村も「個人的には敵の応援だが、気持ちが盛り上がる。気合も入るし、いい雰囲気で野球ができる」と、アウェーの雰囲気も歓迎だ。

 2年前の前回大会は韓国、チャイニーズ・タイペイに連敗し、連覇が「5」で途切れるという屈辱を味わった。ここまで全勝で進んできたが、すべては決勝で勝ち、2大会ぶりの優勝をつかむため。4日の練習前のミーティングで石井監督は「感じとしてはいいが、一体感があるから勝てるわけではないし、集中して気合いが入っているから勝てるわけでもない。どうやって勝つか。どれだけ勝ちに飢えているか。勝ちにムキになれるか。もっと、もっと、内面的に出していこう。そこで彼らを上回ろう」とナインを鼓舞した。王者奪還まであと1つ。ただ勝つために――。侍ジャパン社会人代表のすべての力を注ぎ込む。

【了】

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