侍ジャパンU-18代表、3位決定戦勝利で有終の美 清宮主将「いいチームになった」

2017.9.11

侍ジャパンU-18代表は10日(日本時間11日)、「第28回WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(カナダ・サンダーベイ)の3位決定戦でカナダ代表と対戦し、8-1で勝利。銅メダルを獲得した。先発の三浦銀二(福岡大学附属大濠)が3回まで無安打に抑えるなど、7回3安打無失点12奪三振と快投。打線は3回に4点を先制すると、その後も着実に加点した。悲願の初優勝はならなかったものの、スーパーラウンドで敗れた相手に快勝し、有終の美を飾った。

写真提供=Getty Images

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スーパーラウンドでは敗れたカナダに快勝、小枝監督も「こういう形で終われたのは1つ報いたかな」

 侍ジャパンU-18代表は10日(日本時間11日)、「第28回WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(カナダ・サンダーベイ)の3位決定戦でカナダ代表と対戦し、8-1で勝利。銅メダルを獲得した。先発の三浦銀二(福岡大学附属大濠)が3回まで無安打に抑えるなど、7回3安打無失点12奪三振と快投。打線は3回に4点を先制すると、その後も着実に加点した。悲願の初優勝はならなかったものの、スーパーラウンドで敗れた相手に快勝し、有終の美を飾った。

 圧巻の投球だった。最後の試合の先発マウンドを任された三浦は、伸びのある直球と切れ味抜群の変化球でカナダ打線を寄せつけなかった。3回まで6奪三振1四球で無安打無失点とほぼ完璧な投球。4回1死から初ヒットを許したが、後続を断つと、5、6回は再び3者凡退。7回はヒットなどで2死一、二塁と、この試合で初めて二塁まで走者を進めたが、続く打者を三ゴロに打ち取り、106球を投げきった。

 快投の右腕を打線も援護。3回に相手のミス絡みで2点を先制すると、無死二、三塁の好機で清宮幸太郎(早稲田実業)がセンター前にはじき返す。犠飛3本とソロ本塁打2本で5打点を挙げていた主将だが、タイムリーヒットはこれが今大会初めて。チームを乗せる貴重な一打となった。

 この回、櫻井周斗(日大三)の犠飛でさらに1点を追加した日本。続く4回には藤原恭大(大阪桐蔭)、安田尚憲(履正社)のタイムリーで2点を追加。7回には増田珠(横浜)のタイムリー、9回には西巻賢二(仙台育英)の内野ゴロの間に1点を加え、投手陣も磯村峻平(中京大中京)、清水達也(花咲徳栄)と繋いで快勝した。

 9日(同10日)のオープニングラウンド第3戦で韓国に敗れ、決勝進出はならなかった日本。悲願の初優勝を逃したが、引きずることはなかった。むしろ、最後の最後で日本らしさを存分に発揮。小枝守監督は「昨日(韓国戦)の負けで吹っ切れて、自分たちの色が今日は出たんじゃないかなという感じを受けます。時すでに遅しですけども、最後にこういう形で終われたのは1つ報いたかなという感じですね」と安堵の表情で振り返った。

選手が得たかけがえのないもの「この仲間はずっと大事にしていきたい」

 約2週間半前に初めて集まった選手たちは、メダル獲得へ向けて、1つになっていた。大差をつける形となったが、試合終盤では全員がベンチで声を枯らし、必死に仲間を鼓舞した。試合後、涙を流した主将の清宮は「勝ったんですけど、ちょっと悔しさが残るというか…本当にキャプテンとしてみんなとやってこれてよかったです」と複雑な心境を吐露しながらも「キャプテンとして、なかなかこの試合(大会)はみんなに貢献できなかったというか、そんな中で自分に文句を言わずについてきてくれて、最後は本当にみんな声を出してましたし、いいチームになったなと思います」と喜んだ。

 決して仲がいいだけではない、お互いを高め合う集団。同世代では日本トップレベルの選手たちが、大会を通して確実に成長した。小枝監督は言う。

「短期の結集ということが非常に難しい中、選手は非常に頑張ってお互いを知り合おうという努力をしていたと思います。そういう点では、最後にこういう風に、時間がかかりましたけど、(勝利で)結べたというのは良かったと思います」

 最高の目標であった世界一には手が届かなかった。ただ、選手たちが得たのは、かけがえなのないもの。大きな期待、大きな重圧を背負い、思うような結果が出ない中でも4番に座り続けた清宮は「これからもこの仲間は貴重になってくるので、ずっと大事にしていきたいと思います」と話し、新たなステージでの“雪辱”を誓った。

「まだまだ練習が必要かなと思いました。監督さんは結果が出ない中、ずっと自分を4番で使い続けてくれてましたし、なかなか打って(恩を)返すことができなかったんですけど、それでもメダルは取ることができた。本当に、また早実(早稲田実業)で負けたのと違う悔しさがすごく残っているので、この悔しさを、もし、また次に日本代表に入ることがあれば、晴らせればと思っています」

 この先、侍ジャパンの一員として世界一を目指すチャンスは、どの選手にもある。この3位という結果が、さらなる成長への糧になる。

【了】

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